マイクロソフトは3月17日、同社ソフトウェアを高校生に無償提供する教育プログラム「DreamSpark 生徒版」を開始することを発表した。同社は2008年5月から、大学生、専門学校の本科生、高等専門学校4、5年生を対象に、ソフトウェア製品を無償で提供するプログラム「Microsoft DreamSpark」を提供していたが、今回新たに高校生にまで対象を広げる。
DreamSpark 生徒版は、全国の6200校の高等学校、中等教育学校の後期課程、高等専門学校の1〜3学年、特別支援学校の高等部に在学する生徒に対し、マイクロソフトのソフトウェアを無償提供するプログラム。対象製品は以下10製品。
同社はこれまで、「MSDN アカデミック アライアンス 高等学校版」として、高等学校のPCに授業で使うソフトウェアを提供してきたが、生徒が自宅学習できる環境までは提供しきれていなかった。プログラミングやWebデザインは、家で復習しようにもツールがなければできない。DreamSpark 生徒版によって、生徒は家で復習することができる。また、先生が生徒に宿題を出すことも可能になる。環境の提供と、環境の使い方を教える授業、両方の側面で支援することになる。
DreamSpark 生徒版の提供は、文部科学省所管の財団法人、学習ソフトウェア情報研究センター(学情研)が窓口となって行う。学情研は全国6200校に対し、同財団のWebページや学校向け機関誌「学習情報研究」を通じて、DreamSpark 生徒版の告知・募集をする。DreamSpark 生徒版の対象者は、申し込み後に発行される認証コードを利用して、マイクロソフトのWebサイトから必要なソフトウェアをダウンロードすることができる。
マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 アカデミックテクノロジー推進部 伊藤信博氏によると、同社は企業市民活動の一環として取り組む一連のIT人材育成において、学生の理数系離れや論理思考力の低下に強い懸念を示しているという。こうした問題を解決するためにも、今後も「国際力」「想像力」「実践力」「専門力」といった4つの力を育てていく意向だ。具体的に、国際力は「Imagine Cup」、想像力はベネッセと共同で行っている「体験型プログラミング学習」や「ITリーダー育成キャンプ」、実践力はMSDN アカデミック アライアンスやDreamSpark、専門力は「全国高専ITキャラバン」「The Student Day」によって行っていく。
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