では、主な手口をここでご紹介いたします。
【注4】
Webビーコンとは、別名「Webバグ」とも呼ばれるものです。本来の使われ方としては、ユーザーのアクセス動向などの収集を目的に、メールなどに極めて小さい画像を埋め込んでおき、その画像のダウロード有無を確認することで、ユーザーのメール開封やメールアドレスの存在有無を確認できます。
本記事では、Windows XPに標準でインストールされているOutlook Expressで対策を実施したいと思います。
本設定を行うことで、次の効果を期待できます。
上記設定を実施することで、下記のようにメールソフトによって添付が表示されなくなり、外部の画像をダウンロードしなくなります。
本設定を行うことで、次の効果を期待できます。
上記設定を実施することで、下記のようなメールの開封確認を促すポップアップメッセージが一切出なくなります。
本設定を行うことで、次の効果を期待できます。
【注5】
過去に、Internet Explorerの脆弱性を悪用し、メールをプレビューしただけでウイルス感染するものがありました。現在は、その脆弱性に対応したセキュリティパッチがリリースされており、最新のセキュリティパッチをすべて適用していれば同様の脆弱性を悪用したウイルスには感染することはありませんが、今後もこのような脆弱性が発見される可能性があるため、プレビュー機能は使わないほうが望ましいです。
また、次の項目にチェックを付けます。
本設定を行うことで、次の効果を期待できます。
【注6】
自身の意識がないところで自動的にアドレス帳へ登録されていた場合、ウイルス感染時の影響範囲が思わぬところで拡大することがあるため、それを防ぐ効果があります。
本設定を行うことで、次の効果を期待できます。
【注7】
本機能を有効にすると、すべてのHTMLメールに有効となるため、スパムメール以外のメールにもHTML機能が無効化されます。本設定を有効にする場合には、その影響範囲を測った上で有効にしてください。
上記設定を実施することで、HTML形式のメールが強制的にテキストメールへ変換されます。これによって、HTML形式メールにはハイパーリンクによって本来のURLが隠されておりましたが、テキストメールに変換されたことで、そのURLを視覚的に確認することができるようになります。
セキュリティを強化してしまうと、利便性が損なわれてしまうことがあります。企業であれば、ある程度強固なセキュリティを施し、ユーザーに強制できますが、あまりにも利便性が損なわれてしまうと、策定したセキュリティポリシーが企業に定着せず、また、セキュリティ管理者の目の届かないところで、セキュリティポリシーを破る人が現れる恐れがあります。
そのため原点に立ち返り、身に覚えのないメールについては、仮に興味をそそるメールであったとしても、すぐに削除するというユーザー教育を徹底することが必要です。もしくは、企業のセキュリティポリシーの一環として、そのようなメールを発見した場合にはセキュリティ管理者に報告するということを義務付けることが必要と感じています。
なお、今回はWindows XPに標準でインストールされているメールソフトを使ってTipsをご紹介しましたが、企業のセキュリティポリシーを満たすメールソフト選定も重要な対策の1つとなります。今回のTipsの中でご紹介したような機能が網羅されているメールソフトを選定していただけばと思います。
飯田 朝洋(いいだ ともひろ)
サポートサービス本部
コアテクノロジーサポートグループ
Threat Monitoring Center アシスタントマネージャー
トレンドマイクロへ入社後、企業向け有償サポート(プレミアムサポートセンター)のテクニカルアカウントマネージャとして、主に大企業へのセキュリティサポート・コンサルティングおよび、感染被害発生時のインシデント・オペレーションに従事。
その後、インターネットの脅威動向に関する監視・調査を行うThreat Monitoring Centerの設立と同時に、Senior Threat Research Engineerとして不正プログラムの収集・傾向分析の専門家としての活動を開始する。
現在は、米国ニュージャージー州にて不正プログラムの傾向分析に加え、インシデント対応のサポートを行う。
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