IE8のお気に入りバーは、従来のリンク・バーとお気に入りを合わせたような機能を持つツール・バーである。左端がお気に入りメニューになっているが、その右側にはよくアクセスするサイトを登録したり(アドレス・バーのアイコンをドラッグ&ドロップする)、RSSフィードやWebスライスを登録したりしておける。フィードやWebスライスを登録しておくと、新しくページを開くことなく、その内容にアクセスできる。
お気に入りバーにはあらかじめ「おすすめサイト」と「本日のおすすめアドオン情報」という項目が登録されているが、これらはいずれもWebスライスを使って実現されているサービスである。おすすめサイトは、ユーザーのWeb閲覧履歴に基づいて情報がマイクロソフトへ集められ(閲覧しているWebサイトの情報が送信される)、それに基づいて、関連がありそうなWebサイトが選択され、それがおすすめサイトのプレビュー・ウィンドウへ表示される。送信されるデータはSSLで暗号化されているし、その情報の扱いは「Internet Explorer 8 のプライバシーに関する声明」に基づいているが、このような情報が送信されるのは望ましくないと考えるなら、おすすめサイト機能を無効にするとよいだろう。このためには、[ツール]ボタンのメニューにある[おすすめサイト]のチェック・マークをオフにすればよい。
このチェック・マークがオフになっていると、お気に入りバーの[おすすめサイト]ボタンをクリックしても、関連するサイト情報は表示されない。
[おすすめサイト]ボタン(リンク)の右には、[本日のおすすめアドオン情報]というボタンがあらかじめ登録されている。おすすめサイトはユーザーのWeb閲覧履歴に基づく推薦サイトのリンク集であるが、本日のおすすめアドオン情報はIEに追加可能な各種のアドオン集、「アドオンギャラリー」である。IE8向けのアクセラレータやWebスライス、検索プロバイダなどが登録されているので、よく使うものをここから追加登録しておこう。
IE8のウィンドウの右上には検索用の入力欄があるが、この検索機能も強化されている。複数の検索プロバイダを登録しておき、切り替えて検索できるようになっているのはIE7と同じだが、インタラクティブに検索できたり、画像付きで検索結果を表示させたりできる。例えば以下は、検索ボックスに検索用文字列を入力しているところである。最後に[検索]ボタンや[Enter]キーを押していないのに、「新幹線」と入力しただけで検索文字列候補が表示されている。
上の画面で(4)の[検索]というボタンをクリックすると、検索で使用した文字列(この例の場合なら「新幹線」)という文字列をWebページ内で検索する機能が起動する。これは[編集]メニューの[このページの検索]や[Ctrl]+[F]によって開始される検索機能であり、ページ内だけが検索対象となる。IE7では、検索用ダイアログに検索文字列を手動で入力後、[次へ]をクリックしてページ内文字列を検索していたが、IE8ではこのページ内検索もインタラクティブに行われるようになった。ページ内検索を起動して検索用のダイアログに文字列を入力すると(上の画面の(4)をクリックしても同じ)、該当する文字列が黄色くハイライト表示され、さらに何個見つかったかも表示される。これにより、検索が分かりやすくなっている。
今回はIE7から大きく変わったIE8のユーザー・インターフェイス関連の機能について見てきた。セキュリティ関連の機能や管理者が知っておくべき機能などについては後編で解説する。
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