IE7でタブ・ブラウズ機能が導入されてから最初のバージョンアップとなるIE8では、タブ関連の操作機能にもいくらか機能強化が行われている。
IE8では、タブ・グループごとに色分けされて表示されるようになった(何色になるかは不定)。タブ・グループとは、あるページのリンクから新規タブとして開いたページの集まりのことであり、関連するページのタブが同じ色になるので、多数のページを開いた場合に目的のタブを見つけやすくなる。この色はクイック・タブの一覧でも表示される。
IE7ではタブを間違って閉じてしまった場合、そのタブ(のWebページ)をもう一度オープンしたくても、簡単ではなかった。TIPS「IE 7で閉じたタブ(Webページ)を再び開く」ではWebページの閲覧履歴から元のページを見つけて再オープンする方法を紹介しているが、履歴の数が多いと、どのページが該当するタブだったのかを見つけるのは簡単ではない。だがIE8では、一度閉じてしまったタブ・ページを簡単に見つけて再オープンできるように、機能が強化されている。
IE7では、[ファイル]−[新規ウィンドウ]メニュー(もしくは[Ctrl]+[N]キー)を使えばウィンドウを複製することはできたが(同じ内容を、新規タブではなく、別ウィンドウで表示させる)、タブの内容を複製することはできなかった。だがIE8では[ファイル]−[タブを複製](ショートカット・キーは[Ctrl]+[K]。上の画面の(6)でもよい)で、現在のタブ(のURL)と同じ内容を別タブで開くことができる。
ブラウザ自身やActiveXコントロールの不具合などでブラウザがクラッシュ(異常終了)してしまった場合、IE8では自動的に復旧する機能が実装されている。IE8を起動すると従来のようにiexplore.exeというプロセスが1つ起動するのではなく、2つとか3つ以上動作しており(ウィンドウやタブの数とプロセスの数は必ずしも一致していないようである。プロセスの方が何個か多い)、複数のプロセスを使ってお互いがクラッシュしたりしても復旧できるように、情報をやりとりしている。次の画面は、そのうちの1つのプロセスを強制的に終了させてみたところである。自動的に復旧し、元のタブ(元の内容)が再表示されている。
クラッシュするプロセスの具合によっては復旧できないこともあるようだが、その場合でもIE8を新規に起動させると、次のように、以前のセッションの内容を復旧させるかどうかを問い合わせるダイアログが表示される。ここで[直前のセッションの復元]をクリックすると、クラッシュする直前のIE8と同じようにウィンドウやタブが再構成され、表示される。
IE8ではタブを開くごとにiexplore.exeプロセスが増えているが、大部分のコードやデータは共有しているため、プロセスが1つ増えるたびに何十Mbytesもメモリを消費するわけではない。以前よりも多少は使用メモリ・サイズが増えるようだが、この機能のメリットを考えると、許容できる範囲だろう。
カーソル・ブラウズとは、マウスを使わず、キーボードのカーソル・キー(矢印キー)と[Home][End][Page Up][Page Down]キーだけでWebページをブラウズする機能である。このモードを有効にするには、[F7]キーを押すか、[表示]メニューの[カーソル ブラウズ]を選択する。すると確認のためのダイアログが表示されるので、[はい]を選択して、カーソル・ブラウズ・モードに入る。
通常はカーソル・キーを押すとウィンドウの内容がスクロールするだけであるが、カーソル・ブラウズ・モードでは、ウィンドウ上にキャレット(文字入力の位置を示す縦のバー)が表示され、それをカーソル・キーで上下左右に移動させることができる。そしてリンク(クリックできる場所)の上にキャレットが移動すると、リンク全体が破線の四角枠で囲まれるので(ちょうど[Tab]キーでリンク間を移動しているような状態)、そこで[Enter]キーを押すと、リンク先が開かれる。ただし手元で試した限りでは、複雑な構成のWebページではキャレットが思うように動かせなくなったりするなど(例えばテーブルのある列の中から外へ移動できなくなる)、どんなときでも使えるというものでもないようである。
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