構築の流れを簡単に説明しておこう。作業内容を大まかに分類すると次のようになる。
Step.1 親パーティションのOSセットアップ
Step.2 Hyper-V 2.0のセットアップ
Step.3 WSFCのセットアップ
Step.4 CSVのセットアップ
Step.5 仮想マシンの作成
なお、ドメイン・コントローラやDNSなどのActive Directory環境はあらかじめ準備されているものとする。
所要時間は多めに見て丸一日と見積もった方がよい。時間がかかるOSインストールなどは、複数のノードで作業を並行して進めるとよい。
■Step.1 親パーティションのOSセットアップ
最初に、Hyper-Vホストとして利用する2つのサーバに対して、親パーティションとなるWindows Server 2008 R2をインストールする。ライブ・マイグレーション自体は、仮想化ソフトウェア単体で無償配布されているHyper-V Server 2008 R2でも利用できるが、Windows Server 2008 R2とは勝手が多少異なる。実運用への導入を検討しているのであれば、テストにおいてもWindows Server 2008 R2のEnterpriseやDatacenterの評価版を利用しておいた方が効果的だろう。
ベンダ製のサーバ・マシンを利用する場合、OSインストールをアシストするCD(例:HP SmartStart)が提供されているかどうかをベンダに確認しておきたい。こういったアシストCDを利用すると、そのサーバに最適化されたデバイス・ドライバも同時にインストールしてくれるためだ。OSメディアにあらかじめ含まれているデバイス・ドライバは古かったり、チューニングなどの最適化が行われていなかったりするものが多く、そのまま使い続けると思わぬトラブルを招くことがある。
また、Window Server 2008 R2では、「通常インストール(フル・インストール)」と「Server Coreインストール」が選べるが、こちらはどちらでも構わない。Server Coreはセキュリティの向上や、パッチ適用回数の削減を期待できる半面、初期設定のハードルが高いことやサード・パーティ製品のサポートが制限される場合がある。しかしながら、管理自体はリモートから行えるためServer Coreに挑戦してみるのもよいかもしれない。
インストールが完了したら、コンピュータ名やIPアドレス、ドメインへの参加などの初期設定を行おう。
■Step.2 Hyper-V 2.0のセットアップ
OSのセットアップが一通り完了したら、Hyper-Vをインストールする。インストール作業は、役割の追加ウィザードから「Hyper-V」を選ぶだけだ。
Hyper-Vのインストールが完了したら、Hyper-Vマネージャで「仮想ネットワーク マネージャー」を開く。ここで表示される「仮想ネットワーク」の名前を、各ノード間で統一しておこう。ノード間で名前が異なると、ライブ・マイグレーション後に仮想マシンの通信ができない。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.