以降は、WSFCマネージャでの作業が中心となる。
■Step.4 CSVのセットアップ
Hyper-VとWSFCをセットアップしただけでは、ライブ・マイグレーションに必要なCSVがまだ利用できない。仮想マシンをCSV領域に格納するには、CSVドライバをロードし、ディスクをCSVにマウントする必要がある。
●4-1 CSVの有効化
最初に、CSVドライバをロードして有効化しよう。
WSFCマネージャで、クラスタの概要画面を開くと[クラスターの共有ボリュームの有効化]という項目があるはずだ。こちらをクリックすると、下記のような警告メッセージが表示されるので、内容を確認して[OK]ボタンをクリックしよう。
●4-2 CSVにディスクをマウント
CSVを有効にすると、WSFCマネージャ上に[クラスターの共有ボリューム]という画面が追加される。
操作ペインに現れる[記憶域の追加]からダイアログを開き((1))、CSVにマウントしたいディスクを選択((2))しよう。正常にマウントが完了すると、一覧にディスクが表示((3))される。
CSVボリュームのマウント・ポイントは「C:\ClusterStorage\VolumeN」(N=1,2,…)となる。マウントを完了すると、どのノードからもアクセスできるようになるはずだ。ただし、上に掲載した警告メッセージのとおり、CSV領域へのアクセスは現在Hyper-V関連のプロセスからのみサポートされている。理由なくこのパスにアクセスするのは避けるようにしよう。また、CSV領域はアンチウィルス・ソフトウェアのスキャン対象外に設定しておく必要がある。(マイクロソフト サポート技術情報 KB961804)
■Step.5 仮想マシンの作成
CSVボリュームの準備ができたら、仮想マシンを作成しよう。
通常、仮想マシンの作成はHyper-Vマネージャの[仮想マシンの新規作成ウィザード]から行うが、WSFCによるクラスタ構成の場合はWSFCマネージャ経由でこのウィザードを立ち上げよう。また、ウィザードを起動する際に処理ノードを選択するが、ここは格納するCSVボリュームの所有者ノードを選択した方がよい。これは第1回で解説したとおり、非所有者ノードから仮想マシンを作成すると、I/Oが内部ネットワークを経由してしまい、非効率となるためだ。CSVボリュームの所有者は上画面の(4)で確認できる。
仮想マシンの新規作成ウィザードの進め方については、次の記事を参考にしてほしい。仮想マシンの格納場所をCSV領域に変更するのを忘れないようにしよう。
仮想マシンの作成が完了すると、「高可用性ウィザード」が自動実行されるはずだ。これによって、作成した仮想マシンがWSFCで管理されることとなる。
なお、Hyper-Vマネージャから作成した仮想マシンでライブ・マイグレーションを行うには、WSFCマネージャで[サービスまたはアプリケーションの構成]を実行する(「1つ前の[仮想マシンの新規作成ウィザード]はWSFCマネージャから起動する」画面の(2))。これによって、高可用性ウィザードが立ち上がり、既存の仮想マシンをWSFCに登録することができるようになる。
高可用性ウィザードが完了したら、WSFCマネージャに戻ってみよう。[サービスとアプリケーション]の画面に作成した仮想マシンが登録されているはずだ。あとは、この仮想マシンに対してゲストOSをインストールすればよい。
なおライブ・マイグレーション環境の場合、仮想マシンの電源操作・自動開始制御には、Hyper-VマネージャではなくWSFCマネージャを利用しよう。Hyper-Vマネージャを利用すると、WSFCが誤って障害と検知したり、自動開始が正しく行われなかったりすることがある。
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