本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。
今回はVPNについて学習します。VPNを使用すると、コスト削減を行いながら拠点間を接続できます。また、セキュリティや拡張性もサポートされています。
以下、VPNの概要と種類、VPNで使用されるセキュリティプロトコルであるIPSecについて学習していきます。
VPNは、Virtual Private Networkの略で、「仮想的なプライベートネットワーク」という意味です。インターネットのような公共のネットワークを使用し、仮想的なプライベートネットワークを構築します。
VPNでは、トンネリングと暗号化が特に重要です。トンネリングとは、元のパケットにIPヘッダを付加することにより、インターネットを介した公共ネットワーク上で、あたかもポイント・ツー・ポイントネットワークのように通信できる技術です(ここではインターネットVPNを前提に解説しますが、電気通信事業者が提供する広域イーサネットやIP-VPNもVPNに含まれます)。
また、公共のネットワークを使用するため、送受信するデータを保護する必要があります。そこで、データを暗号化してセキュリティを確保します。トンネリングと暗号化を行えるプロトコルがIPSecです。
インターネットなどの公共のネットワークを使用してデータを送受信するためには、トンネリングと暗号化(機密性の確保)のほかにも、完全性、送信元認証、アンチリプレイの対策を行う必要があります。
IPSecは、機密性、完全性、送信元認証、アンチリプレイに対応したセキュリティプロトコルです。
インターネットを使用したVPNで、安全にデータを送受信するために必要な要素として正しいものはどれですか。2つ選択してください。
a.完全性
b.高速性
c.機密性
d.拡張性
a、c
正解は選択肢a、cです。選択肢bの高速性は、安全にデータを送受信するために特に求められている機能ではありません。拡張性があることもインターネットVPNを使用した利点ではありますが、安全にデータを送受信するための機能ではありません。
VPNは以下のように分類されます。
VPNを使用する際には、トンネリングや暗号化、復号を行うためにVPNデバイスという装置が必要です。VPNデバイスとしては、IPSecに対応したルータや、ファイアウォール、Cisco ASA 5500シリーズ適応型セキュリティアプライアンス、Cisco VPNコンセントレータなどが該当します。
リモートアクセスVPNでは、ユーザーのクライアントPCに、Cisco VPN Clientを使用します。Cisco VPN Clientがトンネリングや暗号化、復号を行います。
拠点間のVPNデバイス同士を接続するVPNの形態として正しいものはどれですか。1つ選択してください。
a.サイト間VPN
b.セキュアアクセスVPN
c.リモートアクセスVPN
d.セキュリティVPN
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