本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。
今回は、フレームリレーについて学習します。フレームリレーは、パケット交換方式のWANサービスの1つです。フレームリレーを使用すると、各拠点間を接続することができます。
現在では、WANサービスとしてIP-VPNや広域イーサネットが普及していますが、CCNA試験においてはフレームリレーを理解することも重要です。フレームリレーの概要、用語、トポロジ、そしてフレームリレーの設定について学習しましょう。
フレームリレーは、各拠点のルータと、フレームリレースイッチの間で動作します。フレームリレーでは仮想回線(VC)を確立してフレームを送信します。フレームリレーで使用されるフレームのヘッダには、DLCIという番号が入ります。
それでは、フレームリレーで使用される用語を説明します。
拠点のルータからフレームリレースイッチまでのアクセス回線の速度です。
バーチャルサーキットともいいます。PVC(Permanent Virtual Circuit)とSVC(Switched Virtual Circuit)があります。
通常、日本のフレームリレー網では、永続的に接続を確立するPVCを使用します。フレームリレーのネットワークを、フレームリレー網といいます。
VCを識別する番号で、ローカルで意味を持つ番号です。例えば拠点1のルータAでは、DLCI100とDLCI400という番号でVCを識別します。
ローカルで意味を持つ番号なので、対向側の拠点とDLCIの番号が同じでも異なっても問題ありません。DLCIは一般的に、フレームリレー網を提供するプロバイダが割り振ります。
プロバイダと契約する通信保証速度です。フレームリレー網が輻輳(ふくそう)していても、契約した速度は保証されます。
フレームリレー網を提供するプロバイダと契約する際に決定する値です。認定情報レートとも呼びます。
リモートルータのIPアドレスに、ローカルのDLCIをダイナミックに対応付けるプロトコルです。
ローカル管理インターフェイスと呼びます。拠点のルータとフレームリレースイッチ間でやりとりする信号です。10秒ごとに送信して、ステータス保持などのキープアライブの役割があります。LMIにはCisco、ANSI、Q.933Aの3種類のタイプがあり、対向側とタイプを合わせる必要があります。
フレームリレーのヘッダには、ローカルDLCI番号と、リモートのIPアドレスが入ります。よって、フレームを送信するルータは、ローカルDLCIとリモートIPアドレスの対応付けを知っておかなければなりません。Inverse ARP、または手動で対応付けを行います。対応付けたものは、フレームリレーマップとして保持します。
PVCを識別する番号で、ローカルで意味を持つ番号として正しいものはどれですか。1つ選択してください。
a.DLCI
b.IPアドレス
c.Inverse ARP
d.LMI
a
正解は選択肢aのDLCIです。Inverse ARPは、ローカルDLCIとリモートIPアドレスを自動的に対応付けるプロトコルです。LMIは、ルータとフレームリレースイッチ間でやりとりする信号で、キープアライブの役割を果たします。
LMIのタイプとして正しくないものを1つ選択してください。
a.Q.933A
b.ANSI
c.Cisco
d.DLCI
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