ディスクの初期化が終わったら、次はディスク上に「パーティション(区画)」を作成し、その上にボリューム(初期化されたファイル・システム)を作成する。といっても、Windows 7やWindows Vista以降のOSのウィザードではパーティションの作成とボリュームの作成、およびダイナミック・ディスクへの変換は一体化されており、Windows XPのように、パーティションだけを作るといったことはできない。Windows XPの場合は、ディスク・タイプが「ベーシック」ならパーティションの作成、「ダイナミック」ならボリュームの作成とメニューが変わり、分かりづらかったのでWindows Vista以降では見直されたようだ。
以下に、ディスクのパーティション/ボリューム関連の用語を簡単にまとめておく。以下の記事も参照していただきたい。
タイプ | 機能 | |
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ディスク・タイプ | ||
ベーシック・ディスク | 従来から使われているディスクの区画形式。1つのディスクを複数の区画に分割して利用できるが、ベーシック・ディスクでは、プライマリ・パーティションを最大4つか、プライマリ・パーティション最大3つと拡張パーティション1つを持つことができる。拡張パーティションにはさらに別のパーティションを含むことができる。パーティションが3つまでならプライマリ・パーティションを利用し、4つ以上なら拡張パーティションを作成して、そのなかにさらにパーティションを格納する | |
ダイナミック・ディスク | ベーシック・ディスクよりも柔軟性の高いディスクの区画管理機能。不連続なブロックを連結して1つにまとめたり、複数のディスクにまたがって区画を設定したり、サイズを増減したりできる | |
パーティション・タイプ | ||
プライマリ・パーティション | ベーシック・ディスクにおける区画の種類。IBM-PCでは、もともとハードディスクを最大で4つの区画にまで分割して利用できた。それぞれの区画を(プライマリ)パーティションという | |
拡張パーティション | ハードディスクを5つ以上の区画に分割するために作られたパーティション機能。4つ目のプライマリ・パーティションを論理的に分割し、その中にさらに複数のパーティションを格納できるようにしたもの | |
ボリューム・タイプ(ダイナミック・ディスクが必要) | ||
シンプル・ボリューム | 1台のドライブ内だけで閉じているボリューム。同じドライブ上の別のブロックと連結することも可能(つまり不連続なブロックでもよい)。別のドライブ上のブロックとは連結できない(それはスパン・ボリュームという)。単一ブロックのみによるシンプル・ブロックはベーシック・ディスクでもよいが、複数ブロックの場合はダイナミック・ディスクが必要 | |
スパン・ボリューム | 2台以上のドライブにまたがっているボリューム。各ブロックのサイズは同じでなくてもよいし、場所も連続していなくてもよい | |
ストライプ・ボリューム | いわゆるRAID 0。複数のドライブへ同時にアクセスして、性能を高める機能。各ドライブから同じサイズだけブロックを確保する。冗長性はなく、1台の各ドライブが故障するとボリューム全体が失われる | |
ミラー・ボリューム | いわゆるRAID 1。2台のドライブへ分散してデータを書き込み、1台故障してもデータが失われないようにする。2台のドライブ上に、それぞれ同じサイズの領域を確保する。Server系のWindows OSと、Windows 7のProfessional/Enterprise/Ultimateで利用可能 | |
RAID-5ボリューム | いわゆるRAID 5。3台以上のドライブへ分散してデータを書き込み、1台故障してもデータが失われないようにする。複数のドライブ上に、それぞれ同じサイズの領域を確保する。Server系のWindows OSで利用可能 | |
Windows OSで利用できるボリューム/パーティション・タイプおよびディスク・タイプ |
ボリュームを作成するには、適当な空きディスク上の領域を右クリックして、ポップアップ・メニューから作成したいボリュームのタイプを選択する。以下はWindows 7 Ultimateでの操作例であるが、同じクライアントOSであるWindows XPやWindows Vistaと比較すると、[新しいミラー ボリューム]という項目が増えている点が強化されている(Windows 7のProfessional/Enterprise/Ultimateで利用可能。[新しい RAID-5 ボリューム]というメニュー項目もあるが、これは常に無効化されている。Windows Server 2008 R2との互換性のために存在しているようである)。ミラー・ボリュームは、従来はServer系のWindows OSでのみ利用できる機能だったが、Windows 7では上位エディションで利用可能になっている。
まずはシンプル・ボリュームを作成してみよう。上のメニューから[新しいシンプル ボリューム]を選択すると、「新しいシンプル ボリューム ウィザード」が起動する。ボリュームの作成方法はどれでもほぼ同じで、最初にボリュームとして利用するディスクとその領域サイズ、次の画面でマップするドライブ文字、最後の画面でファイル・システムとフォーマットの種類、ボリューム名などの指定となっている。最初の画面以外は特に言及することもないので、以下では最初の画面のみ解説する。
シンプル・ボリュームは、最も基本的なボリュームの形式である。従来のプライマリ・パーティションに近く、1台のディスク上にしか存在できないが(そのため、最大ボリューム・サイズはディスクのサイズになる)、複数の不連続なブロックを連結して1つのボリュームのように扱うこともできる。
以下にシンプル・ボリュームの例を示す。領域としては4つ見えるが、ボリュームとしては2つしか作成していない。最初に10Gbytesのボリューム「VOL1」を作成し、次に20Gbytesの「DATA2」を作成している。その後、VOL1を30Gbytes拡張し、最後にDATA2を40Gbytes拡張している。ボリュームを拡大(縮小)するには、ボリューム名を右クリックして、ポップアップ・メニューから[ボリュームの拡張(縮小)]を選択すればよい。このように、分離されている複数の領域でも1つのボリュームとして扱えるようになるのが、シンプル・ボリュームの機能である。プライマリ・パーティションや拡張パーティションではこのような不連続な領域によるボリュームは実現できない。
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