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» 2011年10月27日 00時00分 公開

World IPv6 Day当日のアクセス状況を把握せよ!Yahoo! JAPANのIPv6対応大作戦(最終回)(2/2 ページ)

[中谷武史ヤフー株式会社]
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数件にとどまった当日の問い合わせ

 World IPv6 Day当日は、カスタマセンターでも想定問答集を用意し、準備を整えておきました。しかし、「Yahoo! JAPANトップページが見れらない」「表示するのに時間がかかってしまう」といったお客さまからの問い合わせは、合わせても数件にとどまりました。

 そもそも入り口となるYahoo! JAPANトップページが閲覧できないため、問い合わせすらできないお客さまがいたことを考慮しても、予想より少ない結果です。これは、事前告知などの実施により、ある程度十分に周知ができていた結果だと分析しています。

 参考までに、World IPv6 Day当日の「IPv6」や「World IPv6 Day」といった検索ワードの推移を以下に記載しておきます。

図1 IPv6関連検索ワードの推移 図1 IPv6関連検索ワードの推移

 事前告知の掲載をきっかけに、これらのワードの検索数は上昇し、World IPv6 Day当日にピークを迎えています。このことから、World IPv6 Dayはお客さまがIPv6について知るきっかけになったイベントであったといえます。

アンケート結果に見る「IPv6」認知度の向上

 Yahoo! JAPANでは、インフラ側の準備を整えるだけでなく、事前告知を開始してからWorld IPv6 Day当日までの間「特集ページ」も準備しました。この特集ページへのアクセスが非常に多く、合計で約170万インプレッションもありました。1週間という期間限定の特集としては、これは大きな数字です。

 特集ページでは、当日障害が発生するかしないかを判定できる「テストページ」とともに、アンケートも掲載しました。このアンケートへの有効回答数は約4万件に上りました。以下に、その結果を簡単に紹介します。

Yes No
以前からIPv6という言葉を知っていた 69.0% 31.0%
テストページが閲覧できた 97.7% 2.3%
判定バナーで「IPv6で閲覧できる」と判定され、テストページが閲覧できた 98.5% 97.8% 2.2%
判定バナーで「IPv6で閲覧できない」と判定され、テストページが閲覧できた 1.5% 88.7% 11.3%
表4 アンケート結果

 このアンケート結果からいえることをまとめてみましょう。まず、それまで言葉すら知らなかったお客さまにも、IPv6について周知できたことは大きな成果だといえると思います。

 また、事前調査および当日の結果に比べても、「テストページを閲覧できなかった」と回答した方の数字が増えていました。これは、閲覧できなかったお客さまの方が、より積極的にアンケートに回答した結果だと判断しています。

 次は、テストページの閲覧結果です。「IPv6でアクセスができない」と判定された方は、予想通り、閲覧ができない割合がやはり高くなっていました。

 この判定は、Yahoo! JAPANトップページに掲出した判定バナーによるものです。この判定で「閲覧できない」と判断された割合は、アンケート回答者の1.5%でした。また、「閲覧できる」と判定されているにもかかわらず、テストページを閲覧できなかった割合は2.2%で、アンケート回答者全体の割合とほぼ同じ数値でした。

 「テストページを閲覧できない」原因に心当たりがないという回答者が、82%もいらっしゃいました。また、「見たいWebサイトが見られないときには何もしない」という回答者が63%もいること、「プロバイダーへ連絡をしない」回答者は89%にも上ることが分かりました。興味深い結果として、「原因が特定できれば自身で対応する」と回答した方が62%もいらっしゃいました。

 このアンケート結果は、IPv6を推進していく上で、「IPv4/IPv6を意識せず利用できる環境を整えていくこと」が望まれていることを示してます。そして当たり前のことではありますが、インターネットのサービスに携わる我々が、IPv6に関する情報や問題、トラブルの解決方法を、正確に、分かりやすく伝えることが非常に重要だということも示しています。

 最後に、アンケートのフリーワード(自由意見)には、多くの生のご意見をいただきました。特に多かったのは、「影響が出ないようにしてほしい」「利用者負担にならないように導入してほしい」といった声です。我々としてはこれらの意見を真摯に受け止め、利用者の方がそれと意識しなくても、いままでと同じようにサービスを利用できるようにしていきたいと思っています。

World IPv6 Day、参加検討時のポイント

 今回のWorld IPv6 Dayに参加することによって、今後のインターネット環境の整備に協力することができたと思っています。

 Yahoo! JAPANとして参加を表明する直前には、Googleの担当者たちとも意見を交換しました。ちなみにこの時点では、World IPv6 Dayへの参加を表明していた日本の企業は2〜3社程度でした。

 参加を検討する際に最も重視していたのは、サーバのIPv6対応によって影響を受けてしまうお客さまの数とその対策です。

 そこで、Googleだけでなく、日本国内の大手ISP各社にも確認し、プロバイダの参加状況なども判断材料に入れて検討を行いました。さらに、IPv6普及・高度化推進協議会World IPv6 Dayの傾向と対策ミーティングなどにも参加して、業界全体の動向を把握しました。これらの状況と情報を基に、Yahoo! JAPANとしてのインターネット全体への貢献などを考慮して、「影響を受けるお客さまを最小限にとどめること」を条件に参加が決定したわけです。

 結果として、Yahoo! JAPANのみならず、インターネット全体にとっても大きな成果が得られました。今後も、よりよいインターネット環境の整備およびサービス提供ができるように貢献していきたいと思っています。

【関連記事】

「World IPv6 Day」に向けて準備すべきこととは(@ITNews)

http://www.atmarkit.co.jp/news/201104/28/w6d.html

World IPv6 Dayで得られた成果とこれからの課題(@IT Master of IP Network)

http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/tokusyuu/62w6d/01.html


これからもインターネット環境の整備に尽力を

 今後Yahoo! JAPANは、2011年度中にほとんどのサービスで、IPv6対応の準備を完了させる予定です。

 ただし、実際にIPv6でのアクセスを許可するのは、日本および世界のインターネット網のIPv6対応状況を見てからになります。エンドツーエンドで見てお客さまに影響が出ないこと、または対策ができることを条件としてリリースをしていく方針です。今後も、こうした取り組みを通じて、インターネット環境の整備に尽力していきます。

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