ITサービスマネージャ試験(Information Technology Service Manager Examination)@IT自分戦略研究所 資格辞典

» 2011年12月15日 00時00分 公開

概要

 ITサービスマネージャ試験とは、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理技術者試験の1つ。IPAはレベル4(高度な知識・技能)と定義している。

 情報システム全体について、安定稼働を確保し、障害発生時においては被害の最小化を図るとともに、継続的な改善、品質管理など、安全性と信頼性の高いサービスの提供を行う能力を持つことを評価する試験である。

 試験はペーパー方式で、午前試験I・II、午後試験I・IIの計4つに分かれる。秋期(10月)のみの年1回実施。受験料は5100円。

午前試験

 午前試験は、「知識」を問う試験である。午前試験I・IIの2種類がある。

● 午前試験I

 午前試験Iは、各高度試験の共通問題である※。各高度資格に必要な、共通知識を問う(技術レベルは応用情報技術者試験の午前試験と同程度)。

※高度試験:ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、情報セキュリティスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験


 試験時間は50分、四肢択一の多肢選択式問題。全30問で各3.4点の合計100点満点。

 基準点は60点。基準点に達しない場合、午前II・午後I・午後II試験の採点は行われず、不合格となる。

 免除制度があり、以下の1〜3のいずれかの条件を満たすことによって、その後2年間、午前試験Iの受験を免除する。

  1. 応用情報技術者試験に合格する
  2. いずれかの高度試験に合格する
  3. いずれかの高度試験の午前I試験で基準点以上の成績を得る

 試験は、以下の3分野から出題する。

  • テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術)
  • マネジメント系(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
  • ストラテジ系(システム戦略、経営戦略、企業と法務)

● 午前試験II

 午前試験IIは、ITサービスマネージャに必要な専門知識を問う。

 試験時間は40分、四肢択一の多肢選択式問題。全25問で各4点の合計100点満点。

 基準点は60点。基準点に達しない場合には、午後I・午後II試験の採点は行われず、不合格となる。

 出題範囲は以下の通り。

  • コンピュータ構成要素:テクノロジ系のコンピュータシステム
  • システム構成要素:テクノロジ系のコンピュータシステム
  • データベース:テクノロジ系の技術要素
  • ネットワーク:テクノロジ系の技術要素
  • セキュリティ:テクノロジ系の技術要素
  • プロジェクトマネジメント:マネジメント系
  • サービスマネジメント:マネジメント系
  • サービスマネジメント:マネジメント系

 特に、プロジェクトマネジメントと、サービスマネジメントは重点分野である。

午後試験

 午後の試験は「技能」試験である。出題範囲はI・II試験共通で、2分野に分かれる。

 出題範囲はI・II試験共通で、下記の5分野から出題する。

サービスサポートおよびサービスデリバリに関すること

システムの運用管理に関すること

ITサービスの継続的改善とITサービスマネジメントの報告に関すること

情報セキュリティの運用・管理に関すること

カスタマサービスに関すること

● 午後試験I

 試験時間は90分、記述式。大問4問のうち2問を選択し、解答する。大問1つにつき50点の合計100点満点。基準点の60点に満たない場合は、午後試験IIの採点は行われず、不合格となる。

 大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ20字〜50字程度で解答する。

● 午後試験II

 試験時間は120分、論述式。大問3問のうち1問を選択し、解答する。大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ600字〜1600字程度で解答する。

 評価方法は以下のとおり。評価ランクがA〜Dまであり、Aを取得すれば合格。

 設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などを評価の視点として、論述の内容を評価する。

 また、問題冊子で示す「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず、その程度によって評価を下げることがある。

合格率

 例年、12〜13%前後である。

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