職歴、これは必須項目です。
職歴と後述するEducation(学歴)、どちらを先に書くかは特に決まりはありませんが、職歴のある人は職歴を先に書くとよいでしょう。新卒の場合は職歴がないので「Education」(学歴)を先に書きます。新卒でインターン経験のある人は、学歴のあとにインターン歴を書くとアピールになります。
「職歴を先に」といっても、これは厳密な決まりではありません 。要は、自分のアピールしたい順に持ってくればいいのです。例えば、「職歴はあるけど、今の仕事は大学の専攻とは関係なくて、今度は大学で得た知識を生かした仕事に就きたい」といった場合は学歴を最初に持ってくる、といった具合です。
●職歴は最新情報から!
職歴欄は次の仕事につながる重要な項目なので、力を入れて書きましょう。ここで1つ重要なポイントを。
日本語の履歴書と違い、英文履歴書は最新情報から書きます。一般に職歴欄で必要な情報は、社名および所在地、役職(Job Title)、仕事内容です。入社年月と退社年月も書きますが、1社の中で役職が変わっている場合は、それぞれについて年月を明記しましょう。仕事内容は、別途「Accomplishments」という欄を設け、具体的に達成した内容を個条書きにするのもいいかもしれません。
●日本ではなじみがないけど、Job Titleは重要
ちなみにこの「Job Title」、日本の会社では平社員は「役職ナシ」となることが多いです。ですが、海外では平社員にもJob Titleがちゃんとついていることが多いのです。例えば私が外資系出版会社で働いていた時は、入社時の「Editorial Assistant」から始まって、「Assistant Editor」、「Associate Editor」と徐々に昇進していきました。その間、ずっと私は日本企業で言うところの平社員でしたが、ちゃんとJob Titleは経験に従って変化していったのでした。
逆に、その後日本のメディア企業に転職すると、Job Titleが適当になってしまいました。上司の好みや会社の方針などで自分の経験値とはまったく関係なくJob Titleが変更され(しかも英語のTitleなんて名刺を見るまで知らなかったり、「この前の名刺にはAssociate Editorと書いてあったのに今度の名刺はEditorだけか」ということもあったりで)「こりゃ英語の履歴書には書けないな」と思ったものです。その後、私はフリーランスになったので、英語の履歴書でJob Titleに悩まされることはなくなりましたが……。
日本企業に勤めている人は「自分は平社員だからJob Titleなんてついてないし、名刺にも部署名くらいしか書かれてないよ」という人もいるかもしれませんが、名刺に何も書いていなくても、英文履歴書用に自分の仕事内容に合ったJob Titleを考えて書きましょう。
エンジニアの場合、Job Titleはそれほど難しくないかもしれませんね。具体的には、
Company A (2005 - Present), Tokyo, Japan.
Senior Software Engineer (2009 - Present)
Software Engineer (2005 - 2009)
とJob Titleを明記した上で、実際の仕事内容として「Developed a software solution for financial industry」(金融業界向けのソフトウェアソリューションを開発しました)などと記述していくとよいでしょう。
自分にどのような能力があるのかを書きます。個条書きで構いません。エンジニアであれば「Java」「.Net」「MySQL」といったように自分の得意な開発言語やアプリケーション名を並べてもよいでしょう。この項目を職歴の前に持ってきてアピールすることもできます。
先ほどと同じで、自分が強調したい点はどこなのかによって書く順番を決めればいいのです。個条書きなので、左右に余白を取ってそこに自分のSkillを並べる人もいるようです。「Skills」と「Certifications」を別の項目に分け、「Certifications」は「Education」の欄に一緒に入れてしまう、という手もあります。
学歴は、職歴が長くなればなるほど、履歴書の最後にオマケとしてつける程度の情報になります。通常は最終学歴のみでいいでしょう。応募する仕事に関係のある専門学校などに通ったことをアピールしたい場合は、それを含めても問題ありません。
さて、履歴書に書く内容が決まったところで、ようやく本格的な履歴書作りです。一生懸命書いた内容ですから、できるだけしっかり見てもらいたいですよね。そこで重要なのは、やはり「見た目」なのです。
書式が自由なだけあって、英文履歴書のサンプルはインターネット上に山ほどころがっています。例えばMicrosoft Officeのテンプレートコーナーを見てみましょう。こんなにたくさんの履歴書テンプレートが並んでいます。
●Job-specific resumes(Microsoft)
キレイに作っていますね。これだけキレイな履歴書がたくさん並んでいると、何年も前にテンプレートも見ないまま自力で作った自分の履歴書が恥ずかしくなってきました……。
皆さんはぜひこういったテンプレートを参考にしてみてください。書式だけでなく英文の例も参考になるので、こうしたテンプレートや例文を活用しない手はありません。
●LiveCareer
また、LiveCareerというWebサイトでは、Web上で自分の履歴書が作れます。
LiveCareerは履歴書だけでなく、カバーレターまで作成できてしまうところがいいですね。履歴書に添えて出すカバーレターは、履歴書ほど重要視されることはないものの、自己アピールできるもう1つの場であることに違いはありません。LiveCareerのテンプレートを使えば、応募するJob Titleやこれまでの経験を簡単に記入するだけでカッコイイ英文のカバーレターが出来上がります。便利ですね。私も次回どこかに応募することがあれば、ここでカバーレターを作ってみようと思います(ステマじゃないですよ!)。
英文履歴書の書き方・入門編をお送りしました。 次回は応用編ということで、実際に「頑張って履歴書を書いてみました!」という現役エンジニアの履歴書を例に挙げ、具体的なアドバイスをしてみたいと思います。
きょうこ先生
大阪府出身。米国の大学院で言語学修士号(M.A.)を取得したのち、米出版社や都内の英文雑誌出版社、オンラインメディア企業などで記者として勤務。現在は独立し、フリーランスで執筆や翻訳を手掛ける。
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