マウス・カーソルを画面の右上隅もしくは右下隅へ移動させ、そのまま上下させると、画面右端に「チャーム」と呼ばれる、各種設定を行うためのメニュー・バーが表示される。これはどのアプリケーションや画面(スタート画面かデスクトップ画面)を使っている場合でも有効である。ただしそれぞれのメニューの内容は、呼び出したアプリケーションや画面によって異なる。Metroアプリケーションなら、アプリケーションの機能設定(一般的にはオプション・ダイアログなどで設定するもの)をここから呼び出し、それ以外の通常のメニュー(カレンダーなら月や週の切り替えなど)を右クリック・メニューで呼び出す、というふうになっているものが多い。
システムをシャットダウンするにはいくつか方法があるが、通常はこのチャームから[設定]を呼び出してシャットダウンするのがよいだろう。
Windows 8 CP版では[スタート]メニュー([スタート]ボタン)がなくなるなど、従来のメニュー構造を大幅に改変し、アイコンなどを多用して見栄えをよくしているが、管理用ツールを呼び出すためのメニューはなぜか文字ばかりで素っ気ないものが用意されている。次の画面がそのメニューである。マウス・カーソルを左下隅に移動し、「スタート」などのアイコンが表示されたら右クリックする。するとこの管理用ツールの起動メニューが表示される。
最後にServer 8のBeta版の画面も簡単に紹介しておこう。Server版でもWindow 8 CP版と同じようにUIが改良されているが、もともとサーバでは決まった管理ツールを使うだけのことが多いため、その画面内容も非常にシンプルである。サーバにログオンすると通常は次のようなデスクトップ画面と、サーバ管理ツールだけが表示されている。
この画面で[Windows]キーを押すとWindows 8 CP版と同様にスタート画面に切り替わるが、見ての通り、アプリケーションらしいものは何も登録されていない(そもそもこのUIにする必要があるのか疑問だが)。
■ReFSファイル・システムについて
サーバの詳細な機能について今後回を改めて解説するが、1つだけ補足しておく。現在Server 8のベータ版(ビルド8250。Datacenter Edition)が入手できるが、このビルドには前回の最後のコラムで触れた「ReFS」が実装されているようだ。サーバ版を評価するなら、大容量、高信頼性ファイル・システムに向いているとされるReFSも見ておくとよいだろう。
今回は新しくリリースされたWindows 8 CP版について、主にスタート画面の機能や従来のWindows 8 DP版との違いについて見てきた。マイクロソフトの調査によると、(Windows Vistaに対して、Windows 7では)スタート・メニュー(からメニューをたどってプログラムを起動すること)の使用頻度は減っているそうである。ユーザーはデータ・ファイルをダブルクリックするなどしてアプリケーションを起動するからだ。そこでWindows 8では思い切ってスタート・メニューをなくし、代わりにスタート画面に必要なアイコンだけを置くようにUIをデザインし直している。そのために、スタート画面のカスタマイズ機能もいろいろ用意されている。
だが、これが使いやすいかどうかは、少し疑問が残る。特にマウスの右クリックとかコーナーへ移動させるなどの操作を多用しているため、慣れるまでは非常に面倒である。画面の左側はタスク切り替えで、右は設定メニューで、下はアプリケーションごとの固有メニューで、さらに上部はドラッグするためのエリアとなっているが、これがまず分かりづらい。アイコンやボタン、ガイドでも表示されていればまだ分かりやすいと思うが、そうなっていない。移行期にはかなりの混乱も起こるだろうし、企業内のヘルプデスク担当者も操作を口頭で伝えたりするのは困難かもしれない。タブレット専用ならこれでもいいかもしれないが、そういうわけでもないようだ。またスタート画面のアイコンと、「すべてのアプリ」の二重管理のような構造も気になる。次のベータ版が出るまでにはもう少し洗練されたUIになっていることに期待したい。
「[Windows 8プレビュー] Windows 8 Consumer Preview ―― 再構築された次世代Windows ―― 」
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