業務アプリInsider、始めました特集:『.NET開発者中心』リニューアルの真相

@IT全体のデザインや記事制作システムが刷新されたのを機に、旧「.NET開発者中心」コーナーも一新。その理由とは?

» 2012年10月10日 13時32分 公開
[一色政彦,デジタルアドバンテージ]
特集:『.NET開発者中心』リニューアルの真相

 昨日から@IT全体のデザインや記事制作システムが刷新された。これを機に、旧「.NET開発者中心」コーナーも名称や方向性を一新することにした。その新コーナー名が、

業務アプリInsider 業務アプリInsider

である。といっても、以前と全く異なるコンテンツになるわけでない。従来の路線も継承して、「業務アプリ開発」を中心とした技術情報の発信を引き続き進めていく予定なので、今後もご愛読いただけると幸いだ。

 本稿では、「業務アプリInsider」に刷新した理由や、コーナーの方向性などを説明する。それらを説明する前に、まずは本コーナーの成り立ちを設立当初から簡単に振り返らせてほしい。

「VB研」→「.NET開発者中心」→「業務アプリInsider」の歩み

「VB研」時代

 本コーナーは、2006年の「VB研」から始まった。「Visual Basic業務アプリ開発研究室」、略して「VB研」である。

 本コーナーではその開設当初から、「業務アプリ開発に役立つ情報を発信するメディアを支援して、日本のIT業界を盛り上げたい」というグレープシティ社の思いに応えるべく、さまざまな技術解説記事などのコンテンツを提供してきた。これまでの約6年間、グレープシティ社に継続的にスポンサードしていただいたことで、ここまで長く続けることができた。また、一時期のスポット契約ではあるが、マイクロソフト社からも何度かスポンサードしていただいたりもした。コンテンツの内容や企画は編集部主導で完全に自由にさせていただいており、この両社にはあらためてこの場を借りて、これまでのご支援に感謝したい。

 ところで、このコーナー名が「なぜ“VB”だったのか?」という疑問を持つ人もいるのではないだろうか。

 この当時、.NETの正式版が登場してから約4年しかたっておらず、特にイントラで利用する小規模な社内業務アプリでは、未だにVB6が使われることが多かった。そういった理由から、現在よりもはるかにVB言語の人気が高かったのである。その当時、「VB」という単語は比較的人気の出るキーワードの1つだった。

「.NET開発者中心」時代

 そんな「VB研」の時代は3年ほど続いたが、その間、.NETによる業務アプリ開発でC#言語の人気は徐々に高まっていった。そのような時代の流れを受けて、「あえて『VB』というキーワードでコンテンツや読者層を絞ることは、本コーナーにとっても、広告主であるグレープシティ社にとっても得策ではない」という意見がちらほらと出るようになった。「それなら『.NET』をキーワードにして、本コーナーの読者層を広げよう」という方向で話がまとまった。

 それが2009年に刷新した「.NET開発者中心」である。

 この「中心」とは「ハブ(Hub)」を意味している。つまり、「.NET開発者をつなぐハブを目指して、TwitterなどのWeb上にあふれているさまざまな情報を選別&集約して、読者に届けていこう」というコンセプトがあった。詳しくは、『.NETメディア改革論』の中で説明している。

新時代「業務アプリInsider」

 そうやって「.NET開発者中心」を3年ほど続けているうちに、iPhoneやAndroid端末が発売されて、スマートフォンやタブレット端末の人気が爆発した。そして2012年現在、業務アプリ開発者にとっても、「社内PC向けに業務アプリを作っていればよい」という状況から、それにプラスして「スマートフォン&タブレットの開発も手がけなければならない」という状況に徐々に変わってきている。

 そういう時代の流れから、「.NETを使ってWindows PC向けに業務アプリを開発するための技術情報だけを伝えるメディアは、本当の意味では業務アプリ開発者を支援できていないのではないか」とわたしたちは考えるようになった。グレープシティ社もほぼ同じ考えで、「あえて『.NET』というキーワードを掲げる必要はなくなってきている」という意見が一致した。

 そういった経緯で今回、「業務アプリInsider」として再発進することになったのだ。

 なお、この「Insider」の部分は、デジタルアドバンテージ社が提供するWebメディアのブランド名である。すでにこのブランド名を冠した下記のフォーラム群を運営中だが、「業務アプリ」のコーナー名もこれに統一したというわけだ。

対象読者は「読者層」ではなく「ペルソナ」

 上記の変遷を読んで、展開する技術情報コンテンツの切り口が、最初は「VB」や「.NET」という“技術”だったのが、最近では「.NET開発者」や「業務アプリ開発者」という“人”に切り替わってきているのに気付いただろうか?

「技術」中心から「人」中心へ

 VB研のころから一貫して、毎年毎年、コーナーの今年のコンセプトや方向性を熟考し、スポンサーであるグレープシティに提案してきた。その中で、「“技術”は常に変わり続け、多様化している。よって、“技術”を中心に据えて情報を発信しても、業務アプリ開発者が本当に求めているニーズは満たせなくなっていく」と考えるようになった。

 確かに昔は「VB開発者に向けて、VB技術に関係する情報を提供する」だけで必要十分な時代もあった。しかし現在は違う。業務アプリ開発者に求められる技術情報は多種多様だ。.NET技術だけを提供しても、業務アプリ開発者が収集する技術情報の一部分にしか貢献できないだろう。だから今、「“人”を中心に記事企画を練っていかなければならない」と考えるようになっている。

ペルソナ手法の「業務アプリInsider」への適用

 “人”を中心にする場合によく使われる手法が「ペルソナ」である。

 ところで、「Old Navy」という衣料品小売店をご存じだろうか? このお店は、明確なターゲット・ペルソナを設定している。例えば以下のような感じだ。

  • 25〜35歳の若い母親で、名前は「Jennie」。最初に家族のために買い物をしてから、その後で自分のものを買う。彼女はとっても忙しいので、素早く簡単に買い物できることを望んでいる。たまに子供と一緒だが、そうでないときもある

 ここまで具体的な人物像(=ペルソナ)が絞れていれば、「その人が欲しいものは何か?」が考えやすくなる。これと同様の手法を用いて、

   「Windowsクライアント&タッチ・デバイスを活用した業務アプリ開発に携わっている『業務アプリ開発者』が欲しい技術情報は何か?」

を考えて記事展開をしていきたいと考えている。

 要するに、“あなた”のための技術情報を発信していくサイト、それが「業務アプリInsider」なのである。


 「業務アプリInsider」の記事コンテンツは、アンケート調査の結果を参考にしつつ、ペルソナ・ベースで考えていく予定だ(過去のアンケート調査はこちら。先日実施したアンケートの結果は10月末に記事化する予定なので、お楽しみに)。

 最後にこの場を借りて、「.NET開発者中心」までの、皆さまのご愛読に心から感謝したい。そして、新しい「業務アプリInsider」を今後とも引き続きよろしくお願いしたい。


Insiderブランド一覧:


Insiderブランドで使っているIndexマーク:


Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

AI for エンジニアリング
「サプライチェーン攻撃」対策
1P情シスのための脆弱性管理/対策の現実解
OSSのサプライチェーン管理、取るべきアクションとは
Microsoft & Windows最前線2024
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。