2014年までに400Gbps級光伝送を――NTT、NEC、富士通が共同開発開始大容量化と同時に長距離伝送や柔軟性も

日本電信電話(NTT)、日本電気(NEC)、富士通の3社は12月11日、400Gbpsという超高速光伝送技術の実用化に向けた共同研究開発を開始することを発表した。

» 2012年12月11日 17時49分 公開
[高橋睦美,@IT]

 日本電信電話(NTT)、日本電気(NEC)、富士通の3社は12月11日、400Gbpsという超高速光伝送技術の実用化に向けた共同研究開発を開始することを発表した。2014年までに1チャネルあたり400Gbps級、1本のファイバあたり毎秒24Tbps級という超高速、大容量光伝送の実現を目指す。

 3社はすでに、総務省からの委託研究「超高速光伝送システム技術の研究開発」「超高速光エッジノード技術の研究開発」を通じて100Gbpsクラスのデジタルコヒーレント光伝送方式を開発しており、2012年にはこの技術を活用したデジタルコヒーレントDSP-LSIを商用化している。

 今回の共同研究でも、この技術とチームワークを活用。100Gbps伝送で採用している4値位相変調に加え、さらに多値化を図った16値の直交振幅変調を採用し、400Gbpsの超高速光伝送を実現するという。これを60チャネル分高密度多重することで、光ファイバ当たり24Tbpsクラスという世界最大容量の光ネットワークを目指す。

 多値変調信号を長距離化するに当たっては、光の強さによって光ファイバの屈折率が変化する「非線形光学効果」についての補償技術が課題となっていた。3社はこの保証技術を確立し、実用化を目指す。これに、波長分散・偏波モード分散補償技術の高性能化を組み合わせることで、「大容量」伝送と「長距離」伝送を両立。従来の2倍以上という長距離伝送を実現し、伝送装置の削減を通じて低消費電力化を図る。

 さらに、伝送路の状況に応じて、同一のハードウェアでさまざまな変調方式を実現する適応変復調技術の実用化を進め、必要とされるデータ量や伝送距離に応じて柔軟に対応可能なネットワークの構築を目指すとしている。

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