知的財産(知財)は難しい・ややこしいとお考えの方は多いのではないでしょうか? 複雑な部分を分かりやすく説明します
知的財産(知財)は、難しい・ややこしいとお考えの方は多いのではないでしょうか? 確かに、実務上の手続きや判例解釈には、複雑な部分があります。しかし、基本的概念はそれほど難しくはありません。系統立てて学べば、すぐ理解できるものです。特に「エンジニア脳」の人にとってみれば「なぜこのような制度になっているのか(設計思想は何なのか)」と考えながら勉強すると、興味深く学べると思います。
知財のポイントを理解するために、何回かに分けて知財の基礎中の基礎についてできるだけ簡単に解説していきましょう。まずは、知財全般についてのお話です。
簡単にいえば、知的財産(知財)とは(特定の者に独占させるだけの)「価値がある情報」のことです。一般に、知財というと、特許や著作権の話を思い浮かべることがあると思いますが、知財の範囲はそれよりもはるかに広いものです。
知財=「情報財」と言い換えることもできます。また、最近はあまり使われませんが、「無形財産」「無体財産」という言い方もあります。有体物(物理的なもの)ではない形のない財産という意味です。イメージとしては、これらの言い方の方が分かりやすいかもしれません。
知財の一部が、知的財産権として権利を付与され、保護されます。その代表的なものは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権という産業財産権です(昔の名残で工業所有権といわれることもあります)。
法律として明確に保護されていなくても業界の慣例や判例上の権利として保護される権利もあります。例えば、有名タレントを使ってキャラクター商品を作る権利は法文上具体的に規定されているわけではないですが、判例上確定したパブリシティ権(商品化権とも呼ばれます)によって保護されます。
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