このように広がりを見せているレスポンシブWebデザインだが、どうして採用したのだろうか?
Googleが、スマートフォンサイト制作向けにレスポンシブWebデザインを推奨していることもあるのかもしれないが、どちらかというと振り分けに限界がきて結果レスポンシブWebデザインを採用せざるを得ない状況になっている。
よくレスポンシブWebデザインでデバイスの最適化はできないという方がいる。では、最適とはどういう状態のことを指すのだろうか? 最適とはユーザーごとによっても違うだろう。確かに、そのような最適化は実現できないが、どのスマートフォンデバイスでも対応はできる。
ここで1つ定義したいことがある。レスポンシブWebデザインの反意語は「振り分け」ということだ。これをアクセシビリティやIAと表現し始めると、論点が異なってしまうので、ここでは避けたい。
レスポンシブWebデザインが注目されるもう1つの理由は、「振り分け」の限界である。日本でもすでに300種類のスマートデバイスが存在するといわれ、年に100のスマートデバイスが誕生するといわれている。それら1つ1つを振り分け対応させると、既存のページでも毎年コストが発生する。企業面からすると振り分けは今後ずっと費用が掛かることになってしまう。
日本でも2012年ごろから普及をはじめ、リニューアルとともにレスポンシブWebデザインにする傾向にある。レスポンシブWebデザインは単なる流行ではなくなる日は近いかもしれない。
菊池 崇
Web Directions East CEO/allWebクリエイター塾 講師
世界最高峰のカンファレンスWeb Directions Eastの代表。大手IT企業、システム会社、Web制作会社のコンサルティングを行う。企業向け研修、イベント出演、書籍の執筆なども行う。自身でも大手通信会社のアプリ案件のUIを担当。モバイルファースト、レスポンシブWebデザインなど最新情報を日本のWebメディアにいち早く寄稿し話題を提供している。allWebクリエイター塾主催のイベントSwapSkillsでレスポンシブWebデザインをテーマにした内容を3月9日に行う。
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