フィールドサービス要員管理最適化ツール「IFS 360 Scheduling」IFS以外のERP環境でも利用可能

» 2013年03月01日 20時49分 公開
[大津心,@IT]

 IFSジャパンは3月1日、フィールドサービス要員の管理を最適化するツール「IFS 360 Scheduling」を今春リリースすると発表した。Windows AzureやAWS上で動作し、ブラウザ上で動作するのが特徴。

ERPやCRMとリアルタイムに連携し、エンジニア管理を最適化

オタセエ氏写真 IFS 360 Scheduling CEO ローレン・オタセエ氏

 360 Schedulingは、2002年創業のフィールドサービス要員管理最適化ツール。2010年9月にIFSが買収。今回IFSが提供するERPソフトウェア「IFS Applications」と統合され、シームレスな連携が可能になったという。

 IFS 360 Scheduling CEO ローレン・オタセエ氏は、「メーカーやサポートセンターは大きいところでは数千人のエンジニアを抱えて、顧客対応を行っている。しかし、サポートの際には、『要求されるスキル』『保守パーツの保有状況』『時間指定』『ペナルティ』など、さまざまな要件があり、それを満たしたうえで要員を派遣し、問題を解決しなければならない。従って、エンジニア要員の管理スケジュールツールは、ERPやCRMとリアルタイムに通信し、必要な要件を分析、適切な人員をアサインする必要がある。これは非常に高度で複雑な計算を求められる」と同ツールのキモを説明した。

 360 SchedulingではこのERP等と連携し、適切なスケジューリングを導き出すエンジンとして「Dynamic Scheduling Engine(DSE)」を開発。ERPやCRMとリアルタイムに必要なデータを収集、GPSによるエンジニアの現在位置などを把握し、最適なスケジュール管理を可能にしているとした。

 例えば、ある冷蔵庫が壊れてコールセンターに修理要請があった場合、「最速でたどり着き」かつ「1回で修理が完了する」ことが重要だ。DSEは、コールセンターの情報から、「修理に必要なスキル」や「修理に必要な部品」「事前準備の必要性」などを分析し、修理可能なエンジニアを絞り込み、その中で最も近くに居る者をアサインするという流れだ。同社では、現場とエンジニアの単純な距離だけでなく、実測値を元にした所要時間をデータとして持ち、その分析データを元により正確な到達時間を割り出しているとした。

 IFS 360 Schedulingはマイクロソフトと提携し、これらをWindows Azure上で実現。SQL AzureやWindows Azure AppFabricを活用して環境構築が可能。また、AWSや各社のプライベートクラウドにも対応可能だという。DSEは、スタンドアローンでの利用も可能なため、IFS以外のERPを利用している環境であっても組み合わせて利用可能だ。

 オタセエ氏は、「1万人以上の技術者を擁するテレコム会社は、IFS 360 Schedulingを導入することで、『SLA順守コール率』が48%から87%まで向上した。また、派遣センター数も95から8カ所に減らすことができた。すでに隣国の韓国でも技術者8000人を擁するコリアテレコムが採用している。今後日本でも本格展開していきたい」と抱負を語った。

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