日本ヒューレット・パッカードは3月18日、10GBASE-Tポートを増設可能な、OpenFlow対応のボックススイッチと、小規模ネットワーク向けネットワーク管理ソフトウェアを発表した。スイッチはデータセンターでの利用に適している。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は3月18日、10GBASE-Tポートを増設可能な、OpenFlow対応のボックススイッチと、小規模ネットワーク向けネットワーク管理ソフトウェアを発表した。
新ボックススイッチ製品は、データセンター事業者/Webサービス事業者がラックスイッチ(トップオブラックスイッチ)として使うのに便利な製品。1000BASE-T 20ポートを前面に備えた「HP 2920-24G」は24万9900円、同44ポート搭載の「HP 2920-48G」は41万7900円だが、OpenFlowに対応しており、ユーザーは対応ファームウェアを無償でダウンロード可能。HPはまだOpenFlowコントローラを提供していないが、OpenFlowを利用したいときに、HPあるいは他社のコントローラを導入すれば、スイッチは買い替える必要がないという投資保護効果をアピールしている。
HP 2920シリーズは、特別な設定なく最大4台をスタック接続できる。また、同シリーズはHPとして初めて10GBASE-Tを増設できる製品となった。ツイストペアケーブルを使って、相性の問題に悩まされることなく、最大延長100メートルの10Gbps接続が可能で、ケーブルのコストも非常に安いと、日本HPでは説明している。
日本HPは同時に、ネットワーク総合管理製品の「HP Intelligent Management Center 5.2(IMC 5.2)」の小規模環境向けパッケージを発表した。HPはもともと、ネットワーク監視製品群「HP OpenView」を提供しているが、これは大規模ネットワークをネットワークエンジニアが運用するためのプラットフォームとして位置付けられている。一方IMCは、サーバおよびアプリケーションに近い人々が、ネットワークを運用するためのツールとして提供されている。
IMCでは、今後OpenFlowを使ったネットワーク管理機能を追加提供するが、現在はSNMPを中心とした管理が機能の中心だ。直観的なインターフェイスで、仮想マシンを含めたマルチベンダの管理ができることがポイント、新製品は2つで、有線LAN接続デバイス50までを管理できる「IMCベーシック」が29万4000円、有線接続デバイス50、無線接続デバイス50までを管理できる「IMCベーシック+無線LAN」が71万4000円。
日本HPはさらに、BYOD対策として「IMC Smart Connect」「IMC Smart Connect無線LAN」を発表した。社内ネットワークに接続するユーザー端末の認証、モニタリングなどができる管理製品群で、一括して仮想アプライアンスとして提供されるため、導入は簡単。Active Directoryなどとの連携も、追加モジュールなしに実現できるという。
国内におけるHPのネットワーク事業は、過去3四半期にわたり、前年同期比で20%を超える伸びを見せているという。日本HP サーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリースタンダードサーバー&ネットワーク製品本部 製品本部長 宮本義敬氏によると、サーバとの組み合わせでの販売、ネットワーク製品のみの販売ともに大きく成長しているという。宮本氏は、米ガートナーが、データセンターネットワーク市場においてリーダー・ポジションにいるベンダはいないと評価しているように、ネットワーク業界が分岐点を迎えているとも話している。
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