レッドハットの日本法人は3月28日、ビッグデータ関連の同社の戦略について国内で説明した。同社は、ビッグデータとクラウドにおける主役はオープンソース・ソフトウェアだと、改めて強調した。
レッドハットは3月28日、ビッグデータ関連の同社の戦略について国内で説明した。同社は、ビッグデータにおける主役はオープンソース・ソフトウェアだとし、ビッグデータ関連の主要なコンポーネントに関する保守・サポートを直接提供するともに、他の関連技術との連携を深めていくという。
レッドハットが提供しているビッグデータ関連コンポーネントの1つはオープンソースのGlusterFSを使った「Red Hat Storage」。ソフトウェアベースのスケールアウト型ファイルストレージで、ビッグデータの大部分を占める非構造化データの格納に適している点を同社は強調する。専用ストレージ装置でなく、汎用コンピュータを使うため、コストが低いが、耐障害性向上機能も備えている。レッドハットは、HadoopからHDFSの代わりにRed Hat Storageを使わせることのできるHadoopプラグイン、「Red Hat Storage Hadoop plug-in」を開発していて、今後これをApache Hadoopコミュニティに提供(コントリビュート)する予定。
また、レッドハットが提供するデータベース仮想化(既存データベースの組み合わせで仮想的なデータモデルを提示できる機能)製品の「JBoss Enterprise Data Services」では、Hive経由でHadoopとの連携が可能という。さらに同社は、NoSQLデータベースの選択肢として、「JBoss Data Grid」を提供している。つまり、Hadoopについては他社との連携を図っていくが、その他の部分については同社が直接サポートできる製品をそろえていることになる。すべてがオープンソース・ソフトウェアベースだという点が、大きな特徴になっている。
一方、レッドハットは「Open Hybrid Cloud」というコンセプトも提唱している。これについては、同社が今年中に提供予定のOpenStackディストリビューションが中核になる。OpenStackを使うことで、そのエコシステムの広がりを活用。ユーザー組織の社内における仮想化基盤と、OpenStackベースのクラウドサービス事業者が円滑に相互連携できるようにしていくという。OpenStackには、仮想環境管理ソフトの「Red Hat Enterprise Virtualization」、およびこれと統合されたRed Hat Storageを組み合わせて提供できる。
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