「意匠」という言葉は「工業デザイン」のことです。デザイナーの方でなくても、将来的に関係してくる可能性が高いのでぜひ読んでみてください。
「意匠」を一般的な言葉で言い換えると「工業デザイン」(インダストリアル・デザイン)になります。つまり、工業的に大量生産される製品の外観のデザインのことです。デザインとはいってもソフトウェアの設計という意味のデザインではありません。
例えば、一般消費者向けの電子機器や家電製品、自動車、ファッション用品などはデザインが商品の価値を大きく左右します(どんなに性能が良くてもデザインがさえない車が良く売れることはまずありません)。その一方で、いったん製品が市場で販売されてしまうとデザインを模倣するのは容易です。つまり、意匠は、重要な知財として保護する必然性が高いといえます。
米国におけるアップルとサムスンの訴訟で、サムスンに約10億ドルという巨額の賠償金支払いが命じられたのは良く知られています(その後、賠償金の約半額について再審理が命じられましたが、それでも巨額であることには変わりありません)。実は、その賠償金額の大部分は意匠権、つまり、iPhoneやiPadの外観デザインの権利の侵害に由来するものです。意匠の価値がいかに大きいかを表す例です。
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