意匠制度の仕組みは特許と良く似ています。意匠を保護してもらいたい人(会社)は、権利を受けたい意匠(の図面)を書類に記載して特許庁に出願します。特許庁で審査を受け、保護するにふさわしいという要件が満足されれば、登録されて意匠権が発生します。なお、意匠の場合は、どの物品(例えば、自動車、携帯情報機器など)に使用するかを指定して出願します。意匠権も物品ごとに生じることになります。
意匠の登録の要件も特許の場合と良く似ています。まず、当然ですが、物品の外観デザインという意匠そのものの定義に合致することが求められます(後でも触れますが、日本の意匠法ではプログラムは物品とされていないため、プログラムの画面デザインは意匠登録の対象になりません)。そして、世の中にすでに知られているデザインと同じ(またはそれと類似)の意匠、すでに知られているデザインから容易に創作できる意匠は登録されません(これは、特許で新規性・進歩性が要求されるのと同じです)。また、類似のデザインが時間差で出願された場合には、最初に出願した人が優先される(先願主義)も特許の場合と同様です。
無事、意匠登録がされると、意匠権が発生し、他人が類似の意匠の製品を製造・販売・輸出・輸入などを行うことを禁止できるようになります。特許権と同様の強力な権利です。意匠権は登録の日から最大20年続きます。
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