月間165万人が訪問する自動車専門カスタマポータルでWindows Azure、SharePoint Server 2013を採用へ。ソーシャル系機能の拡充などによるカスタマ発信の情報が増えることを前提に、低コストな運営環境を整備する。
トヨタ自動車が運営を手掛ける自動車ユーザー参加型ポータルサイト「GAZOO.COM」が、サイトのリニューアルに合わせ、プラットフォームとしてWindows Azureを全面採用する。2013年4月26日、日本マイクロソフトが発表した。サイトのリニューアルは2013年5月30日を予定している。
今回採用するのは「Windows Azure仮想マシン」「SharePoint Server 2013」を組み合わせたWebサイト運営プラットフォーム。いずれもAzure上で動作する。Windows Azure仮想マシンは、Hyper-Vによるサーバ仮想化技術を使い、サーバマシンおよびOSの仮想イメージをクラウド環境上で動作させるもの。これとSharePoint Server 2013が持つコンテンツ管理機能やFAST検索エンジン、SNS機能などを組み合わせてサイトを構成、運用・管理を行う。
GAZOOでは、現在、オンプレミス環境でSharePoint Serverを利用したWebサイト運営を行っている。SharePoint Serverを最新版である2013にバージョンアップし、そのサーバOSイメージをWindows Azure環境にポーティングする。日本マイクロソフトでは、Windows Azureのクラウド環境を採用することで、カスタマから寄せられる膨大な量の情報を低価格で管理可能になるとしている。
トヨタ自動車と米マイクロソフトは2011年4月に「Windows Azure」をベースとしたトヨタの次世代テレマティクス向けグローバルプラットフォームの構築に向けた提携について基本合意している。これを基に、グローバルでの社内ITシステム構築(関連記事「トヨタ、グローバルの情報共有基盤にマイクロソフト製品を採用」)などでも全面的な協力関係を築いており、今回のWindows Azureプラットフォームを使ったカスタマポータルの刷新も、この流れの一環ととらえられる。
リニューアル後は、SharePoint Server 2013のコンポーネントとして提供されるSNS機能(2013年秋提供開始予定)や、他のソーシャルサービス連携機能も提供し、カスタマのユーザビリティを高めていくとしている。
GAZOOでは、今回の運営プラットフォーム刷新と併せて、将来的には従来のGAZOO会員(約800万人)と、トヨタブランドの自動車情報サイト「TOYOTA.jp」の会員(約50万人)の統合も行う予定だ。統合後は共通IDによって双方のWebサイトを利用できるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.