今回はWindows 8.1 Preview版の主要機能のうち、GUI関連の変更点をいくつか紹介しておこう。それ以外の機能については次回紹介する。
Windows 8.1ではスタート・ボタンが復活すると聞いて喜んだユーザーも多くいるだろう。Windows 95以来20年近く慣れ親しんだものの、Windows 8で廃止されてしまった、あのボタンだ。そして実際のPreview版の画面を見ると、確かにデスクトップ画面のタスク・バーの左端には、新しくWindowsロゴ・マークのアイコンが用意されている。早速押してみよう。
結果は「スタート」画面へ切り替わるだけだ。つまり、これはWindows 7のような[スタート]メニューを表示させるためのボタンではなく、単に[スタート]画面へ切り替えるためのボタンということだ。キーボード上にある[Windows]キーと同じで、スタート画面へ切り替えたり、(元の)デスクトップ画面へ戻ったりするためのボタンにすぎない。Windows 8ではこのボタンすら表示されていなかったので、分かりづらいGUIになっていたが、少なくともこれで初めてのユーザーでもデスクトップ画面から[スタート]画面に戻ってアプリケーションを起動するなどの操作がしやすくなったのではないだろうか。
サイン直後や、デスクトップ画面でスタート・ボタンを押すとスタート画面が表示されるのはWindows 8の場合と同じだが、その内容は少し改良されている。
一番下に、下向きの矢印が表示されているが、これはアプリの一覧画面(次の画面参照)に素早く切り替えるためのものだ。Windows 8では右クリックしてから[すべてのアプリ]というボタンを選択していたが、Windows 8.1では分かりやすくなるように変更された。このボタンを押すと、画面全体が上側へスライドして、アプリの一覧画面に切り替わる。
Windows 8ではスタート画面のデザインは変更できなかったが、Windows 8.1ではスタート画面の背景の絵を変更したり、色をカスタマイズできるようになった。
スタート画面のタイルのサイズは、Windows 8では大と小の2種類だったが、Windows 8.1では4種類から選べる。この結果、ライブ・タイルにより多くの情報を表示できるようになった。
Windows 8.1では、タスク・バーのプロパティ設定画面に新しく[ナビゲーション]というタブが増設された。これを使えば、例えばサインインしてすぐに([スタート]画面ではなく)デスクトップ画面を表示させたり、[スタート]画面の背景をデスクトップ画面と同じにする、といった設定が行える。
スタート・メニューを右クリックするか、[Windows]+[X]キーを押すと「クイック・アクセス・メニュー」が表示されるが、Windows 8.1のPreview版ではこの内容が次のように少し変更されている。[コマンド・プロンプト]がなくなって代わりに「PowerShell」が表示され、下の方に[シャットダウン]メニューが追加されている。従来どおりコマンド・プロンプトを使いたければ、上の画面の(1)のチェック・ボックスをオフにする。
Windows 8では、画面を2分割して利用できたが、片方のウィンドウは必ず幅320ドットに固定されていた(もう1つのアプリは、残りの画面領域を占有できる)。これに対してWindows 8.1ではこの制約がなくなり、2分割だけでなく、物理的な画面サイズが許せば3分割というふうに、細かく分けて使えるようになった。最小サイズも特に決まっていないようである(アプリごとに挙動が少し異なる)。ただしアプリによってはこのような可変幅には対応しておらず、全画面モードでなければ(分割モードで使おうとすると)、幅320ドットだけしか使わない(残りの部分は空白)という動作をするものもある。可変幅の分割機能を利用するには、アプリ側での対応/変更が必要なようだ。
Windows 8の検索チャームでは、検索する対象ごとにいくつかのカテゴリに分かれていたが(連載 第2回「Windows 8の新しいスタート画面」参照)、Windows 8.1ではデフォルトですべての場所が検索対象となっている。
今回は、年内にリリースされる予定のWindows 8.1のPreview版の概要について紹介した。細かいGUI周りの改良点が多いが、これでやっと(少しは)使いやすくなったといえよう。次回はモバイルやBYODなどの用途に向けた変更点を中心に紹介する予定である。
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