Androidマルウェアはクリスマス商戦に合わせて増加する――ジュニパーがレポートAndroid狙いが鮮明に

ジュニパーネットワークスは7月9日、モバイルのセキュリティ動向についてまとめた「Mobile Threats Report」を発表した。

» 2013年07月11日 11時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 ジュニパーネットワークスは2013年7月9日、モバイルのセキュリティ動向についてまとめた「Mobile Threats Report」を発表した。Androidをターゲットにしたモバイルマルウェアの急増が鮮明になったという。

 このレポートは、ジュニパーの脅威対策センターである「ジュニパーネットワークス・モバイル脅威センター(MTC)」が2012年3月から2013年3月にかけて実施した調査を基にまとめたもので、185万件以上のモバイルアプリを分析している。

 Mobile Threats Reportによれば、2013年第1四半期に発見されたモバイルマルウェアは、前年同期比614%の27万6259件に上った。うち、Androidを対象とするマルウェアは全体の92%を占めている。

 同社マーケティング部本部長の近藤雅樹氏は、「攻撃者はビジネスとしてマルウェアを作成している。われわれが、成長の見込まれる有望な市場に向けてマーケティング活動を展開するのと同じように、攻撃者はAndroidという、規模が大きく成長している市場を狙ってマルウェアを作成している」と述べた。

 一方で、もしAndroid端末のOSが最新の状態になっていれば、脅威の77%は削減可能であるという分析結果も得られた。しかし残念ながら、最新バージョンの4.2x(Jelly Bean)を搭載している端末はわずか4%にとどまる一方で、脆弱性が残ったままの2.3(Gingerbread)以前のOSを搭載する端末は41%を占める結果となった。

 「Androidは、(1社集中の)アップルとは異なり、エコシステムの断片化によって一気に普及したが、その半面、コントロールができなくなるという問題点も浮上した」(近藤氏)。

 同社は、今後もAndroidを狙うマルウェアは増加するだろうと予測。中でも、日本ではあまり報告されていないが、SMSを用いて偽のメッセージを送らせ、課金させるトロイの木馬型のマルウェアに注意が必要としている。

 ほかに同レポートでは、Androidマルウェアの件数に「季節変動」が見られることも指摘している。マルウェアの数を月単位で見ると、10月から翌年1月にかけて増加し、その後減少に転じるサイクルがある。4〜5月の数は1万以下にとどまっているのに対し、ピークの1月は4万件以上と、有意な差が見られた。「この時期は新機種がリリースされる他、クリスマス商戦で端末をプレゼントする人も多い。それに伴って増える新規のユーザーを狙っているのではないか」と近藤氏は分析している。

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