SAP HANA SP6発表の約2週間前、SAPジャパンは2013年6月12日にSAP Sybase IQ 16を発表しました。提供開始は2013年度第4四半期以降となる予定です。2009年に「15」が登場して以来のメジャーバージョンアップです。SAPジャパン ビジネスソリューション統括本部 データベースソリューション部長 安藤秀樹氏は「ペタバイト級の超大規模データ分析を可能にする」と話していました。最新版となる16では「ペタバイト級」を支えるための機能が盛り込まれています。
カラムストアの内部構造を固定長から可変長へと改良し、圧縮効率を改善しました。またFPインデックスも最適化され、大量データを効率良く格納するための工夫に力が入っています。
追加ロードの内部処理を改善しパフォーマンスを改善し、ロード時間も予測しやすくなりました。さらにロードの内部処理を並列化することによりパフォーマンスを向上させ、またCPU効率的に利用できるようにしています。
信頼性に関しては通信時の弾力性向上のほか、LDAPプロトコル対応が新機能として挙げられます。LDAPに対応したディレクトリサービスと接続可能になることから、システム全体でのTCO削減が見込めます。また、このバージョンからロールレベルでのアクセス制御も可能になりました。
7月1日、オラクル・コーポレーションはOracle Database 12c(以下12c)の一般提供を開始しました。日本オラクルのWebサイトからダウンロードできます(関連リンク)。
12cは前にも紹介した通り、クラウドでの利用をコンセプトに設計されています。複数のデータベースインスタンスを仮想的に1つのデータベースとして一元的に管理できる「マルチテナント」アーキテクチャが特徴です(関連記事1、関連記事2)。
加えて直近ではマイクロソフトやセールスフォース・ドットコムとの提携発表に注目が集まりました(関連記事1、関連記事2)。
その中で気になったのが「12.1c」。数字からしてOracle Databaseのマイナーバージョンアップ版のようですが、カラムナ(列指向)データベース、インメモリデータベースという特徴も取りざたされています。昨今の他社新製品を意識したように見受けられますね。詳細の発表が待ち遠しいところです。
Pivotal(EMCグループ)にしても、SAPにしても、ビッグデータを処理するためのプラットフォーム構築を目指し、またそのための機能や性能強化に力を入れています。技術面ではロードの並列化による高速化やCPUとストレージを効率的に稼働させる点などに共通点も見受けられます。こうした傾向はほかでも見られ、いま開発が進んでいる領域なのだなと実感します。
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