AvamarとData Domain製品の連携が強化。多様なアプリケーションのデータを保護ストレージに効率的に格納できるラインアップを発表した。
EMCジャパンは2013年8月6日、中規模向けバックアップ/アーカイブ専用ストレージ「EMC Data Domain」の新モデルの発売を開始、重複排除機能を持つストレージアプライアンスである「Avamar 7」、統合バックアップ・リカバリソフトウェアである「NetWorker 8.1」もそれぞれリリースした。
NetWorker 8.1とAvamar 7については、「EMC Data Protection Suite」としても提供する。Data Domainについては、モデルの更新に合わせAvamar、NetWorkerの機能と統合・連携した機能が盛り込まれている点が特徴だ。これらの製品を組み合わせて利用することで、SAP HANAやOracle Exadataなどのデータのバックアップ/アーカイブにも対応する。
新しいData Domain製品群は、既存製品と比較してバックアップ時間を最大で4分の1に短縮している。製品自体のバックアップストリーム数が増えたほか、重複排除機能の一部の処理をクライアント(エージェント)側で実行し、ネットワーク負荷を低減する「DD Boost」機能(一部のアプリケーションで対応)と組み合わせた運用が可能になっている。
また、VMwareのVMイメージのバックアップでは、Avamarを介して格納したVMイメージを「VM Instant Access機能」を使ってリカバリを待たずに直接起動できるようになった。プライマリのVMがダウンした場合でも、Data Domain側のVMイメージを2分程度で起動できるようになる。
Avamar 7単体では、Data Domain向けにNDMPに対応、NFSなどのファイルシステムや、Lotus Notesのデータをバックアップする機能を提供する。これにより、従来、Avamar経由で実施していたファイルシステムなどのサイズの大きなデータはData Domain側で直接バックアップできるようになった。いずれもAvamar 7とData Domainを組み合わせた運用が前提だ。
NetWorker 8.1では、DD Boost機能が拡張されている。従来、DD Boostの対象はIP接続のクライアントのみだったが、今回からSAN構成のファイバチャネル接続などにも対応している。これにより、ファイバチャネル接続でもクライアント側重複排除処理が可能になる。バックアップ時間が2倍高速化、リカバリに関しては2.5倍高速化するという。また、仮想合成フルバックアップでは、Data Domain側で自動的に「ほぼ即時」の増分バックアップを実施できるため、バックアッププロセスにおける明示的なフルバックアップ実施回数を削減できる利点もあるという。
さらにNetWorker 8.1では、標準で論理分割によるマルチテナンシ機能が実装され、複数テナントでバックアップ環境を独立性を維持して利用できる。論理分割情報は、別途割り当てられる論理データゾーンに格納される仕組みだ。
「論理分割は、テナントごとに管理可能になることから、サービスプロバイダにも利点のある機能」(米EMC アジア・パシフィック・ジャパン バックアップ・リカバリ・システムズ部門 シニアディレクタ兼チーフアーキテクト PK・グプタ氏)
Data Domain製品でのSAP HANAへの対応については、Avamar 7側がData Domain側にファイルシステムを提供、マウントしておけば、以降はSAP HANA Studioを介してData Domain側への直接バックアップデータの格納が可能になるというもの。
一方、Oracle ExaData向けには、RMAN(Recovery Manager)を対象としたDD Boost機能が実装されており、Oracle ExadataをはじめとするOracleデータベース製品のバックアップ/アーカイブも効率化するとしている。Oracle Exadata認定のバックアップ/アーカイブ製品は同製品が初だという。
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