日本IBMは、データセンターに向けたx86サーバ「IBM NeXtScale System」を発売すると発表した。ノードは、高さが1U、幅がハーフサイズで、高さ6Uのエンクロージャに最大12台収納できる。
日本IBMは2013年9月11日、データセンターに向けた高密度なx86サーバ「IBM NeXtScale System」を発売すると発表した。ノードは、高さが1U(1Uは約44.5mm)、幅がハーフサイズで、高さ6Uのエンクロージャに最大12台収納できる。ノードには、コンピュートノードのほか、ストレージ拡張用の「Storage NeX」とPCI Expressスロット拡張用の「PCI NeX」を用意した。
日本IBMでシステムx事業部の事業部長を務める小林泰子氏は、ソーシャルメディアの利用者が急増し、2020年には10億台のモバイルデバイスが市場に出回る見込みであるなど、ITに求められる基盤が変化しつつあると指摘。そうした状況の中、従来のミッションクリティカルなトランザクション処理に加えて仮想化が浸透しつつあるエンタープライズと、ソーシャルメディアやモバイルデバイスのワークロードを稼働させるデータセンターのように、ニーズが異なる2つの分野が存在するとした。NeXtScale Systemは、後者のデータセンターに向けた製品である。
特徴は、高密度ながら拡張性の高さを確保した点だ。プロセッサには「Xeon E5-2600 v2(開発コード名:Ivy Bridge-EP)」を採用し、1ノード当たり2プロセッサを備える。1U当たりのコア数は、従来比3倍の48コアとした。さらに、ラック1台当たりに収納できるサーバ台数を2倍とし、システム当たりの重量を1/2に削減することでデータセンターの耐荷重に配慮した。
コンピュートノードは、高さが1Uで幅がハーフサイズながら、PCI Express 3.0に準拠した2つのスロット(それぞれ16レーンと24レーン)と専用拡張ボード用のメザニンコネクタ、ドライブベイ、2つのギガビットイーサネットポートを備える。ドライブベイには、3.5インチ型ハードディスク装置(HDD)を1台、または2.5インチ型HDDを2台、または1.8インチ型SSD(Solid State Drive)を4台収納できる。さらにメザニンカードによって、例えば10ギガビットイーサネットポートの増設が可能。
これに対してStorage NeXとPCI NeXは、それぞれコンピュートノードの上に載せて、ストレージ装置や拡張ボードを増設するためのノードである。Storage NeXには、最大で7台の3.5インチ型HDDを格納できる。利用するには、Storage NeXのHDDとコンピュートノードのコネクタを、直接ケーブルで接続する。一方のPCI NeXには、Xeon PhiやGP-GPUカードを2枚収納できる。コンピュートノードのPCI Expressスロットにライザーカードを差し込み、このライザーカードにXeon Phiなどの拡張ボードを装着する仕組みだ。
単体のエンクロージャとノードでも販売するほか、複数のエンクロージャをラックに組み込んだり、複数のラックをコンテナに組み込んだりした形態にも対応する。さらに、ケーブルの接続や、IPアドレスなどの設定を施し、動作検証した上での出荷にも対応する。最小構成時の価格は126万円。出荷開始は、同年10月28日である。
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