Amazon Web Servicesは2013年11月13日、同社Webサービスの機能追加を相次いで発表した。いずれもビジネス用途向けの機能拡張である。
米Amazon Web Services(AWS)は2013年11月13日、同社Webサービスの機能追加を相次いで発表した。いずれもビジネス用途向けの機能拡張だ(関連記事:AWSがElastic BeanstalkやIAM、Redshiftの機能アップデートを発表)。
Amazon WorkSpacesは、オフィス向けの仮想デスクトップ環境を提供するサービスだ。OSはWindows 7を採用、Adobe ReaderやInternet Explorer 9、Java実行環境などが含まれる比較的コンサバティブな構成の仮想デスクトップ環境が利用できる。要件によってバンドルするアプリケーションをカスタマイズ可能だ。Microsoft Office ProfessionalやTrend Micro Worry-Free Business Security Servicesが含まれるプランもある。PCだけでなくiPad、KindleおよびAndroidタブレット端末からも使用できる。ユーザーは50〜100Gバイトのディスク領域を利用できる。また、ユーザー領域のデータはAmazon S3上に定期的にバックアップされることから、AWSでは、99.99999999%の信頼性と、99.99%の可用性を持つとしている。
WorkSpacesは仮想プライベートクラウドであるVPCのEC2インスタンスで動作する。セットアップは専用の「WorkSpace Console」から実行できる。
同じく発表になったAppStreamは、高負荷な処理をAWSインスタンスで処理、結果をクライアント端末に送信する、というものだ。例えば、先日発表があったGPUインスタンスを使えば、工学計算やレンダリング処理が必要なグラフィックスを端末に依存せずに描画できるようになる。
アプリケーションは、端末側のキーボード、マウス、タッチスクリーンによる操作に対応する。用途によっては、端末側の加速度センサやGPUレシーバの位置情報なども取得できる。
AppStreamを使ったアプリケーションは配布されているSDKを介して行う。クライアント側APIはXstrClient、サーバ側APIはXStxServerで始まるものが該当する。サーバ側アプリケーションについては、ビルド後、AWS側のインスタンスに配置し、使用権限管理サービスをデプロイする。
開発目的であれば、AppStream SDKに含まれているサンプルの使用権限管理サービスを利用できる。現段階ではLimited previewであるため、利用には申し込みが必要だ。
AWS CloudTrailは、AWSの各種サービスが提供するAPIをコールした際のログを収集する機能だ。ログは、指定したAmazon S3バケットに格納される。複数のAWSアカウントのログを同じバケットに入れる設定も可能だ。ログデータはS3が持つサーバサイドでの暗号化機能を使って暗号化する。この他、Amazon Glacierの自動アーカイブオプションの併用もできる。重要なログについては、多要素認証デバイスを用いたデータ消去方法であるMFA Deleteを適用することで、誤消去を回避できる。
各コールのログはJSON形式で保存されるため、再利用性も高い。このサービスそのものには利用料金はかからない。ログ保管用インスタンスやSNS通知については別途料金が掛かる。
保存の対象は下記サービスのAPIコール。
AWSでは、今後もログ収集サービスの範囲を拡大する予定だ。併せて、ログ解析ツールベンダーのパートナープログラムもスタートしている。
AWS Test Drive Programには、検証の期間、無料で半日利用できる試用評価のためのビジネスアプリケーションが用意されている。従来、オラクル、SAP、Red Hat、Alfresco、トレンドマイクロなどのアプリケーションがラインアップされていたが、新たに、マイクロソフト、インフォア、アクセンチュアなどが提供するERP製品やメールサーバ、BIツールなどのアプリケーションを追加している。
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