デル、データセンター向けファブリック構想を発表ファイバチャネルを統合する新スイッチ「S5000」も

デルの発表した新スイッチ「Dell Networking S5000」は、同社が新たに打ち出した、OpenFlow対応のネットワークファブリック「Dell Active Fabric」を構成する要素の1つともなる製品だ。

» 2013年06月13日 11時07分 公開
[高橋睦美,@IT]

 デルは6月11日、イーサネットとFCoEの両方を収容可能な、トップオブラック(ToR)向けのスイッチ「Dell Networking S5000」を発表した。同製品は、デルが新たに打ち出した、OpenFlow対応のネットワークファブリック「Dell Active Fabric」を構成する要素の1つともなる。

 米デル Dell Networking プロダクトマーケティング・ディレクターのジョナサン・セクラー氏は、「データセンターではNorth-South(垂直方向)よりも、サーバや仮想マシン間をまたぐEast-West(水平方向)のトラフィックが飛躍的に増加している」と指摘。Dell Active Fabricは、そうした課題に応えるネットワークソリューションだと説明した。

 Dell Active Fabricは、S5000のほか、「S4820T」「S4810」「X9000」「XML」といった同社のネットワークスイッチ群で構成される、フラットなL2/L3のネットワークだ。スパニングツリーを利用せずにアクティブ/アクティブのネットワーク構成を実現する「Virtual Link Trunking」(VLT)をサポートしていることが特徴で、ファブリック管理ソフトウェア「Dell Active Fabric Manager」を通じて運用管理やプロビジョニング作業を行える。

 「Dell Active Fabricは仮想デスクトップ(VDI)やHadoopなど、モダンなタイプのアプリケーションやクラウドに最適化されている」(セクラー氏)。

 スイッチ専用OS「FTOS 9.1」ではOpenFlowもサポートする。現時点でFTOS 9.1を搭載しているのは「S4810」「Z9000」に限られるが、徐々に対応機種を拡大することで、Dell Active FabricをベースとしたSDN環境を実現。Big Switch NetworksなどのOpenFlowコントローラとの連携も可能になるという。

 新製品のDell Networking S5000は、4ポートの40GbEを搭載したモジュラー型スイッチだ。最大4台のモジュールを追加可能で、10GbEを最大64ポート収容できる。またFCoEも収容できるため、イーサネットとファイバチャネルを統合した、シンプルなネットワークを構築できることが特徴だ。S5000は最大6台までのスタッキングが可能で、VLTもサポート。年内にはFTOS 9.1を搭載し、OpenFlowへの対応を図るという。

Dell Networking S5000

 なお、Dell Networking S5000をはじめとする同社のネットワーキング製品群は、6月12日から14日にかけて開催されている「Interop Tokyo」を支える「ShowNet」でも活用されている。フローを監視し、悪意あるトラフィックについては「S4810」でOpenFlowを用いて宛先を変更して、セキュリティ製品の「Dell SonicWALL SuperMassive E10000」に送り込んで検査を行うといった運用を実現しているほか、多数の仮想マシンの基盤として、デル製のサーバが利用されている。

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