ハードウェアの価格は年々下落しているが、ソフトウェアの価格はそれほど下落していない。となると、サーバ仮想化が進めば進むほどライセンス・コストは馬鹿にならなくなってくるだろう。しかしながら、うまく設計することで大きなコスト削減ができるかもしれない。
ホスト・クラスタリングを行う場合、「フェイルオーバー先にもあらかじめライセンスを購入しておかなければならない」と定めているソフトウェアがある。データベースのようなミドルウェア・パッケージなどに多い課金ルールだ。
このようなソフトウェアのライセンス・コストを抑えたい場合、考えられる方法の1つは、利用したいソフトウェアごとにクラスタを分離する方法だ(図7)。しかし、この方法はライセンス・コストこそ削減できるものの、物理サーバの台数が増えてしまいがちである。
では、どのようにするのがよりよい方法といえるだろうか?
図8のように、クラスタは分離せず1つのままでありながら、仮想マシンのフェイルオーバー範囲を限定できれば、物理サーバの台数を増やさずにライセンス・コストを削減できる。
このコスト削減テクニックをHyper-Vで実現するにはどうすればよいだろうか?
Hyper-Vでは、このような「仮想マシンの実行ホストの制限」をOS標準の機能だけで簡単に実現できる。ホスト・クラスタリングの構成に利用したフェイルオーバー・クラスタ・マネージャ(WSFCマネージャ)より、「実行可能な所有者」欄の中で、移動してほしくないホストにチェックを入れるだけである(図9)。
なお、このようなミドルウェアの筆頭としてMicrosoft SQL Server(MSSQL)などが挙げられる。MSSQLは昨今、基幹用途のみならず、管理系ツールの設定情報やログなどを格納するデータベースとしても広く利用されており、仮想化で使われる機会が増えている。また、次のような特例も認められているため、上手に活用していきたい。
詳細については、以下の資料を参照していただきたい。
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