2014年版ESETは多段防御を強化しつつ、家族内と企業内のシェア拡大を目指す。
キヤノンITソリューションズは2013年12月9日、個人/企業向けのセキュリティ対策ソフト「ESETセキュリティソフトウェアシリーズ」の新製品を12月12日より販売開始すると発表した。マルチプラットフォーム/マルチユーザー対応で、個人向けおよび法人向けの双方に対してアピールしていく。
ESETセキュリティソフトウェアシリーズはWindows、Mac、Androidのマルチプラットフォームに対応し、個人向け「ESETファミリーセキュリティ2014」では、同居する家族だけでなく親戚、友人を含めた5台まで組み合わせて利用が可能。法人向けの「ESETオフィスセキュリティ2014 1PC+1モバイル」ではPC、Androidそれぞれ1台ずつの利用ができる。
2014年版ESETにおける、Windows向けプログラムの新機能は「バルナラビリティ(脆弱性)シールド」「エクスプロイトブロッカー」「アドバンスドメモリスキャナー」の3つ。ウイルス検出のフローとして、既存の機能であるヒューリスティックを含め、4段階で検出が行えるようになる。
キヤノンITソリューションズ取締役上席執行役員 楢林知樹氏は、ESETの強みを基本性能の高さと動作の軽快さであることをアピールし、高い顧客満足度を強みとして、個人向けにはライセンスを柔軟にすることで家族内シェアを拡大し、法人向けにはオフラインPCへの対応など、ラインアップの拡充による企業内シェアの拡大に注力すると述べた。
個人向けの「ESET ファミリーセキュリティ 2014」はオープン価格、企業向けの「ESET オフィスセキュリティ 2014 1PC+1モバイル」は6800円(1年)、「ESET オフィスセキュリティ 2014 5PC+5モバイル」は1万8400円(1年)で、2013年12月12日より販売開始する。
発表会ではESETのチーフ・リサーチ・オフィサー(CRO)のユライ・マルホ氏が登壇し、ESETが分析するマルウェア脅威の動向について講演が行われた。その中でマルホ氏は、ロシアやイランで蔓延する「ランサムウェア」「ロックスクリーン」についての動向について解説を行った。
ランサムウェアとは、利用者のデータを暗号化やロックして人質にし、解除のための身代金を要求するタイプのマルウェアだ。実際に感染すると、下記のようなWebサイトに転送され、追跡ができぬよう電子マネーを要求することが多い。また、Webサイトには著名なベンダー/団体のロゴが並んでおり、一見信頼ができるようなページになっているという。
ロックスクリーンタイプのランサムウェアはロシアで、暗号化のランサムウェアはイランでも広がっている。暗号化を行うタイプのランサムウェアはまだ数が少ないながら、利用者がすぐに被害に気が付くので無視できないタイプのマルウェアだ。
マルホ氏は「攻撃を仕掛ける側はシステムをよく知っているので、これまでのウイルス対策ツールでは守り切れない。ESETのように複数の層に渡る防御が必要となる。ランサムウェアへの対抗としては、それに加えてバックアップを取ることも重要」と述べた。
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