スタートアップに優しいクラウドメール配信サービスが日本国内で本格展開―SendGrid主要PaaS環境での利用も

FoursquareやPinterestなど日本でもユーザーの多い米国スタートアップ企業のメール配信に採用されていることで知られる米SendGridは、2013年12月から日本での本格展開をスタートした。PaaSサービスとの連携もできる。

» 2013年12月27日 12時20分 公開
[原田美穂,@IT]

 FoursquareやPinterestなど日本でもユーザーの多い米国スタートアップ企業のメール配信に採用されていることで知られる米SendGridは、2013年12月から日本での本格展開をスタートした。日本国内の窓口は構造計画研究所が担う。同社では、既に日本語のWebサイトを開設しており、サポート業務をスタートしている。また、開発者向けに、API操作などのドキュメントも日本語で提供する。

 課金方法は月額で、リスト数ではなく実際の送信数で算出する。月次6000通までは無料。以降、ブロンズプラン(4万通まで、1180円/月)、シルバープラン(10万通まで、9480円/月)、ゴールドプラン(30万通まで、2万2980円/月)、プラチナプラン(70万通まで、4万5980円/月)がある。

 SendGridは、HerokuやEngineYard、Windows Azureからアドオン的に利用できるため、PaaS環境で制作したWebサービスやモバイルアプリケーションと連携して、ユーザーの行動を促すメールを配信できる点が特徴。

 メール配信サービスは、成約や購入確定のアナウンスなどを都度確実に送付する必要がある「トランザクショナル」なものと、特定のセグメントのユーザーに対してプッシュを行う「マーケティング」に大別できる。

 AWSやMANDRILLはトランザクショナルなメール配信サービスを提供しており、マーケティングに関してはExactTargetなどのサービスが挙げられる。これらに対してSendGridは、両方のメール配信業務を一手に担える点が特徴であるという。

 いずれの種類のメールにいえることだが、特にトランザクショナルなメールはフィルタリングによるスパム判定などを確実に回避して「受信トレイ」など、ユーザーが確実に目にする場所に配信する必要がある。一方で、マーケティングメールは、適切なタイミングに適切なターゲットに対して一斉に配信する必要がある。

 大量の配信数をさばくには、メールサーバーやトラフィックの負荷が高く、自社で配信サーバーを持つ場合は、それなりのシステム投資が必要になる。既に大量のユーザーを保有している場合は問題ないが、立ち上げたばかりのサービスなどでは、先行投資が難しいケースも少なくない。SendGridのクラウドメール配信は、初期投資コストを抑える上でもメリットがあるという。

 「個人で公開したアプリなどのメール配信であれば、おおかた無料配信の枠内で収まる」(構造計画研究所 事業開発部 SendGridエバンジェリスト 中井勘介氏)

 米SendGridでは、Gmailのエンジニアチームなどとも情報交換を行っており、メール配信の効果などについては、一定の知見を持っているとしている。また、マーケティングメールに関しては、米国の商用メールの規定を定めたCAN-SPAM Actのルールに準拠した、顧客満足度の高いメール配信のノウハウも提供するとしている。

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