お金に関する数値計画は、大きく次の2種類に分けて考えます。
1 開業準備のためのお金に関する数値計画(準備開始〜営業開始+開業から3カ月間)
2 軌道に乗った後のお金に関する数値計画(開業3カ月経過後)
「1」は、開業準備に幾ら必要なのか、そして必要資金をどのような手段で用意するのかの2点を明らかにした計画です。
「2」は、開業後3カ月経過後の、日常的なお金の出入りが行われている中での売り上げやそれに対する仕入れ、さらにその他の経費に関する数値計画を立案したものを言います。
これらの数値計画を立案する理由は2点あります。1つ目は、お金の面で成り立たないビジネスモデルを開業前に排除できる点です。「どうやりくりしても、毎月50万円の赤字が出ていってしまう」ことが最初に分かっていたら、商材を変更するとか、場所を変えて家賃を下げるとか、そもそも開業しない、などといった対策を講ぜられます。
2つ目は、金融機関からの評価です。これから独立開業するという非常に不安定な状態の人に融資をするのは、金融機関側から見ると、とてつもないリスクを伴います。
「何となく1000万円ぐらいお金が足りなさそうだから、1000万円お金を貸して」というのと、「開業準備に1500万円掛かってしまう。そのうち500万円は自己資金で用意できる。残りの1000万円については、期間を7年間にしてくれれば、各月の利益が30万円出るから十分返済可能である。だから、1000万円のお金を貸して」というのと、貸す側の立場だったら、どちらに貸したくなるでしょうか。
経営計画書は、こういうときに必要となるものなのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.