損保ジャパンが、契約内容照会や代理店契約状況管理など、基幹業務システムを自社データセンターから日立のクラウド環境に移行、本稼働を開始した。
損害保険ジャパン(損保ジャパン)は、基幹系業務システムの基盤にクラウドサービスを適用、稼働を開始した。移行およびクラウドサービス基盤を提供した日立製作所(日立)が2014年3月13日に発表した。
今回移行したのは、「社内オンラインシステム」「代理店システム」の領域。社内オンラインシステムは、損保ジャパンの全社員(約1万8000人)を対象に、契約紹介や保険料計算、清算収納、保険金支払いなどを行うためのシステム。代理店システムは、同社保険商品の販売代理店の契約締結や事故報告などの一連の業務を支援するもの。後者のユーザー数は約36万人にも上るという。
対象システムについては、従来複数のデータセンターを利用し、計1250台の物理サーバーで運用していたという。これらのシステムの大部分を、サーバー仮想化技術を利用して統合・集約し、日立が運営するデータセンターに移行した。
日立の発表資料によると、今回発表となった2つのシステムはそれぞれ「マルチテナント型クラウド環境とシングルテナント型クラウド環境を組み合わせたハイブリッドクラウド」で構成、論理分割と物理分割を要件に応じて組み合わせて使うことで、要件ごとにリソース最適化を行ってコスト効率を高めているという。事業継続性に関わる冗長化は日立のデータセンター拠点内で実施、システムごとに実施していた災害対策を、クラウド環境で一括運用する。
これらのシステムは、日立のネットワーク/ストレージ製品で構成されており、仮想化技術はVMwareを採用、システム全体の統合運用管理は、日立「JP1」を採用している。
企業などの組織内で、サーバー仮想化基盤を構築・運用することが「プライベートクラウド」だと考える人は多いようだ。しかし、クラウドサービスが単なる仮想サーバーホスティングサービスでないのと同様、プライベートクラウドも単なるサーバーの仮想化統合ではない。では、プライベートクラウドを構築すべき理由とは何なのか。また、その具体的な要件とはどういったものなのだろうか。特集では将来性を加味したプライベートクラウド構築のあるべき姿を探る。
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