オンライン広告配信会社であるマイクロアドがデータ分析基盤を刷新。HAWQを採用することで既存分析アプリケーションを生かした刷新を図った。
オンライン広告プラットフォームサービス提供企業であるマイクロアドが、Pivotal HDを使ったデータ分析基盤を採用した。2014年3月18日に導入を支援した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が発表した。発表資料によると、Pivotal HD上での高速なSQL処理を実現するオプション製品である「HAWQ」も併せて導入、2014年2月から稼働しているという。
マイクロアドは、閲覧ページなどの行動履歴を解析、閲覧者の属性に即した広告配信を行っている。従来、マイクロアドでは直近のデータをデータウェアハウス(DWH)に、それ以前の情報をHadoop環境に蓄積していた。データ分析は、従来利用していた分析ツールがHadoop環境に対応していなかった他、Hadoopで実行していた一部分析の処理時間が長かったため、DWH側の情報のみを対象としていたという。
HAWQは、標準SQLが使えるクエリエンジンであることから、マイクロアドが持つ分析アプリケーション側に改変を加えずに導入できたという。加えて、応答が約70倍高速になっている。
なお、Pivotal HDはApache Hadoop 2.0をベースにしている。Hadoop 2.0では、多くの便利な機能がそろう一方で、バージョン1系とはアーキテクチャが大きく異なっている。このため、Hadoop環境を既に構築して稼働させている場合、導入が困難なケースが考えられる。
CTCでは、同社内の検証センターである「テクニカルソリューションセンター」内に「Big Data Processing Lab」を置いており、PoC(事前検証)サービスを提供している。今回のマイクロアドでの導入の検証もこの施設で行われたという。
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