「カタログだけでは分からない数値を」、東陽テクニカが会員制ベンチマークサービス月額5万円で提供

東陽テクニカとパステル・ネットワークスは2014年4月15日から、会員制のIT機器ベンチマークテストサービス「@benchmark」の提供を開始した。環境に近い設定でネットワーク機器などのテストを行い、その結果を会員間で共有する。

» 2014年04月16日 13時10分 公開
[高橋睦美@IT]

 東陽テクニカとパステル・ネットワークスは2014年4月15日から、会員制のIT機器ベンチマークテストサービス「@benchmark」の提供を開始した。

 @benchmarkでは、ルーターやスイッチ、ロードバランサーやWAN高速化装置といったネットワーク機器の他、サーバー、ストレージ、セキュリティ機器をユーザーの実環境に近い設定でスループットやレイテンシー、新規セッションレートなどをテストし、結果をWeb上で公開していく。仮想サーバー上で動作するソフトウェアルーター/スイッチやOpenFlowスイッチ、アプリケーションの負荷テストなども行う予定だ。

 ユーザー企業やインテグレーターがIT機器を選定する際、最も参考にされるのは、メーカーやベンダーが提供しているカタログ上の数値だ。しかし「カタログスペックはあくまでメーカーの推奨環境での数値であり、特定の設定をオンにしたりするとその性能が出ないこともある」(東陽テクニカ 情報通信システム営業部 課長 中村章宏氏)。

 @benchmarkでは、東陽テクニカがこれまで蓄積してきたノウハウに基づいた想定シナリオに基づくテストに加え、会員企業の依頼に応じ、実環境に近い設定でのテストを行い、その結果を会員間で共有する。これによって「カタログスペックとの違いなど、ユーザーの立場になったときに本当に欲しいデータを提供する」(中村氏)ことが狙いだ。

 検証作業は東陽テクニカの「電子技術センター」で行い、約1週間〜10日間で結果が得られるという。ベンチマークテストレポートは月3本程度のペースで公開する予定だ(依頼主情報は非公開)。

 さらに、「ベンチマークテスト結果が何を意味しているのか」「自社環境にとって本当に意味のあるパラメーターはどれか」など、レポートを読み解くのに必要なノウハウをコラムの形で公開する他、会員同士の情報交換が可能なSNSも提供する予定だ。

 もともと東陽テクニカは、ネットワークテスターの販売を手掛けてきた。その一環で、個別に検証作業をアウトソースすることもあったという。これを会員制サービスの形に整えることで、検証に要するコストの削減と情報共有の促進を図る。従来、個別契約で検証を依頼する場合は100〜300万円を要していたが、@benchmarkでは月額5万円(もしくは年額55万円)の会費で検証をリクエストできる。

 東陽テクニカは@benchmarkを、「検証サービスのクラウド化」の第一歩と位置付けている。今後、外部からネットワーク越しにテスターを利用できるような「Test as a Service」の展開も視野に入れているという。

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