米シスコシステムズは5月19日(米国時間)、新たなビデオ会議端末とビデオ会議サービスを発表した。どちらもテレビ会議を企業内の個人ユーザーにとっての日常的な活動とすることをテーマとし、新しいニーズを掘り起こそうとしている点で共通している。
米シスコシステムズは5月19日(米国時間)、新たなビデオ会議端末とビデオ会議サービスを発表した。2014年中に提供開始するという。この2つは組み合わせて使わなければならないものではない。しかし、どちらもテレビ会議を企業内の個人ユーザーにとっての日常的な活動とすることをテーマとし、新しいニーズを掘り起こそうとしている点で共通している。
新たなビデオ会議端末は「DX80」と「DX70」。白くて薄く、ミニマルなデザインは、iMacに似ているといえなくもない。テレビ会議装置がこれまで会議室の備品として販売されてきたのに対し、従業員が1人1台、デスクトップで使うことを目指している。新製品を説明したローワン・トロロプ(Rowan Trollope)氏(米シスコ シニアバイスプレジデント/コラボレーション・テクノロジ・グループ責任者)によると、「使ってくれと叫んでいるような」デザインにしたという。
DX70/DX80はAndroid OSを搭載。タッチスクリーンを備え、PC用の第2のディスプレイとして使えるほか、タブレットの代わりとしてAndroidアプリを動かせる。だが、主な用途として想定しているのはデスクトップで使えるテレビ会議だ。
DX70/DX80はシスコが別途提供しているテレビ会議装置やビデオ会議サービスなどと組み合わせることで、テレビ会議にHD映像で参加できる。そう聞くと、「PCを使えばいい」と思ってしまうが、マイクやカメラ、スピーカーの設定に問題が発生したりすることなく、純粋に道具として使えることを目指しているという。家庭に置いて使うことも想定していて、指向性の高いマイクは、画面外の音を極力拾わないようになっているという。携帯電話との間で、進行中の通話を切り替えることもできる。
23インチスクリーンのDX80は2000ドル以下、14インチスクリーンのDX70は1000ドル以下で販売する予定としている。
一方、シスコが同時に発表した「Collaboration Meeting Rooms(CMR)」は、新鮮なコンセプトのビデオ会議サービスだ。各個人に仮想的な常設の会議室を持たせられるという。
シスコは子会社のWebExを通じ、ビデオ会議サービスを提供している。WebExはPCのWebブラウザやスマートフォン、タブレットにも対応した、柔軟性の高いサービスだ。だが、権限を持った人が事前に日時を設定し、「正式に」会議を主催することを想定している。
一方CMRでは、各人に専用の電話番号およびURIが与えられる。各人は相手にこれを伝えるだけで、いつでも思い立ったときに複数ユーザー間での通話やビデオ会議が始められる。接続相手にも限定は少ない。DX80などの会議端末やWebExクライアント、ポリコム、マイクロソフトのLyncなどから参加できるという。
CMRはDX70/DX80と組み合わせる必要はないが、これらの端末とCMRが、内線通話をもカバーした、日常的な社内コミュニケーションのツールとなることを狙っているという。
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