KVHは2014年6月17日、アジアの主要なデータセンター約60個所(将来的には約100個所に拡張予定)を相互接続する「DCNet」サービスを発表した。
KVHは2014年6月17日、アジアの主要なデータセンターをイーサネットで接続する「DCNet」サービスを発表した。同社のデータセンターだけでなく、他社の施設も含め約60個所(将来的には約100個所に拡張予定)のデータセンターをプライベートネットワークで相互接続するサービスで、2014年8月から提供を開始する。
DCNetで接続されるのは、東京、大阪、香港、シンガポールのエリアにあるデータセンター。また、同社のパートナーであるCoresiteを通じて、米国のデータセンターとの接続も提供する。提供帯域は100Mbpsから最大10Gbpsで、2015年第1四半期には100Gbpsサービスも提供する予定だ。「ポイント・ツー・ポイント」「ポイント・ツー・マルチポイント」「マルチポイント・ツー・マルチポイント」の3種類の接続形態を用意する。
サービスの特徴の1つが、帯域保証型だけでなく、月間のトラフィック量に応じて課金する「バースト型」(従量課金)のメニューも提供すること。後者では実測データに基づいて算出されたトラフィックに基づいて課金するため、例えばデータセンター間のバックアップやBCPなど、いざというときにしかトラフィックが発生しない利用形態でコスト効果を発揮する。
料金は「ポート数」と「データセンター間接続帯域」に基づいて決定される。ポートの価格は1Gbpsの場合月額2万5000円、10Gbpsで月額5万円。データセンター間の接続料は、さらに「メトロ(地域間)」と「国際接続」で料金体系が分かれており、例えば地域間接続の場合1Mbpsの場合月額350円など(従量料金制の場合)。
DCNet提供に当たっては、KVHが各データセンターにCyanの「Packet-Potical Zシリーズ」を設置。これをCyanのSDNコントローラー「blueplanet」経由で制御することにより、データセンター間のネットワークプロビジョニングを最短2日間で実施する。将来的には、KVHが提供しているクラウドコントローラー「Turbine」と一体化しての提供も視野に入れている。
KVHはDCNet提供の背景として、クラウド化の進展に伴って年間平均26%のペースでデータセンター間トラフィックが増加し、2017年にはアジア地域だけで15億ドル規模の市場に成長するという見通しがあることに触れた。KVHに窓口を一元化した形で、拡張性を備えたデータセンター間接続サービスを提供することによって、回線増強時の顧客の負荷を軽減し、ビジネス形態に合った形でサービスを拡大できるよう支援するという。KVHのテクノロジー本部 執行役員 濱田義之氏は、「ニュートラルなデータセンター間接続を提供することにより、データセンターを選ぶ際の選択肢を広げていきたい」としている。
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