Pivotalとの共同検証で、Google Compute EngineがRabbitMQを使った仮想クラスタ環境での大量メッセージング処理で高い性能を示した。
米グーグルとPivotalは2014年6月23日、「Google Compute Engine」にオープンソースのメッセージングシステム「RabbitMQ」を導入して行った性能実験で、毎秒100万通を超すメッセージを安定して処理できる性能を実証したと発表した。
送信したメッセージと受信したメッセージを合せると処理数は毎秒200万通を超え、1日当たりに換算すると860億通に相当する。これはAppleが1日に処理するiMessagesの400億通を上回るという。
実験ではGoogle Compute Engine上に、それぞれ8個のvCPUと30GバイトのRAMを搭載した仮想マシン32台のクラスタを構築。各仮想マシンのDebian上にRabbitMQをインストールした。
RabbitMQはクラスタ環境に導入すると、ノードが協調して単一の仮想メッセージングブローカーを形成する。今回の実験で使ったRabbitMQクラスタは、RabbitMQ RAMノード30台とRabbitMQ Discノード、RabbitMQ Statsノードが各1台ずつという構成だった。
ノード間の負荷調整にはGoogle Compute Engineのロードバランサーを使用し、RabbitMQのJavaクライアントライブラリとして出荷されているPerfTestツールを使ってトラフィックを生成した。
RabbitMQのWeb管理コンソールに表示される数値が安定し、受信するメッセージが毎秒134万5531通、送信するメッセージが同141万3840通に達した段階でも、RabbitMQは安定的な処理を継続し、配信待ちは2343通にとどまった。この状態が数時間続いても、RabbitMQのクラスタも、Google Compute EngineのVMも安定した状態が保たれたという。
グーグルはこの結果について、「Compute EngineがパブリッククラウドでRabbitMQを運用するための素晴らしい選択肢であることが、今回の実験で実証された」と評している。
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