企業にとっての「オープンデータ」には、どんな価値があるのか?データ資源活用の基礎(2)(2/3 ページ)

» 2014年07月22日 20時00分 公開

(2)ニーズマッチング

 特許などの産業財産権においては、保有者と利用者が必ずしも一致しないことが既に明らかであり、そのための流通の仕組みが整備されています。

 データにおいても同様であり、自社内では「使えない」ものを公開し、より金銭的な価値に変えられる企業に提供、あるいは販売することが求められています。このため、データの流通を行う場を提供するデータマーケットプレイスというサービスが立ち上がっています。

 データマーケットプレイスは大きく3つの種類に分類できます。1つは文字通り、データの提供者と利用者がデータを交換する場をWeb上で提供するもので、Data MarketMicrosoft Azure Marketplaceなどがこれに該当します。もう1つはデータ提供者によって公開された情報をデータマーケットプレイス事業者が集約、加工し、統合的に利用者へ公開、提供するものであり、FactualOpenCorporatesなどが例として挙げられます。3つ目は、前の2つとは異なり、データ自体を公開せずに事業者間で閉じた形でのデータ売買を仲介するもので、Bluekaiなどが該当します。

 ここでは、典型的なデータマーケットプレイスとしてMicrosoft Azure Marketplaceについて紹介します。2010年にマイクロソフトが設立したMicrosoft Azure Marketplaceには、2014年7月4日時点で約70のデータ提供者から、有料データ約115件、無料データ約105件、合計約220件のデータが登録されています。当初は無料データが多くを占めていましたが、徐々に有料データが増えてきています。データ提供者は、このマイクロソフトのプラットフォームを活用することで、登録するデータの安全性を確保しつつ、利用者の管理、費用請求などを効率的に行えるメリットがあります。トランザクション数などにより、複数の価格が設定できることも大きな特徴といえます。

 一方、データの利用者は、利用手続を効率的に行ったり、データの加工、分析にマイクロソフトのツールを利用したりできることがメリットになります。このデータマーケットプレイスは有料データ購入額の20%を手数料として得ており、これが収入源となっているようです。

図3 Microsoft Azure Marketplaceにおけるデータ公開画面(出典:Microsoft Azure MarketのWebサイト

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