事前準備として、5台のサーバーにはそれぞれLinuxディストリビューションをインストールしておきます。それぞれのサーバーのホスト名は下図の通りで設定します。また、各サーバーにcephユーザーを作成し、ssh経由で相互にsudoが実行できるように設定しておきます。
これ以降のオペレーションはcephユーザーで行います。
次に、5台のサーバーにCeph/RADOSと関連パッケージをインストールします。
パッケージインストールは1台のサーバーでceph-deployというツールを実行することで行います。実行するサーバーとして、ここでは「workstation」を選択します。
これでceph-deployツールが利用できるようになりました。ceph-deploy ツールについての詳細はCeph Documentationの「CEPH DEPLOYMENT」のページなどを参照してください。
ceph-deploy installに続いてパッケージインストールする対象サーバー5台のホスト名を列挙します。選択するコンポーネント(monitor、OSD、MDS、クライアント)によるインストールの仕方の違いはありません。
上記コマンドの実行で以下のパッケージがインストールされました。
これでパッケージのインストールは完了です。
続いてCeph Storage Clusterおよびクライアントを構築していきます。
始めにクラスターを作成します。
ceph-deploy newに続いてmonitor用サーバー3台のホスト名を列挙します。
デフォルトでは「ceph」という名前のクラスターが作成され、カレントディレクトリに「ceph.conf」ファイルと「ceph.mon.keyring」ファイルが生成されます。
作成したクラスターにmonitorを追加します。ceph-deploy mon createに続いてmonitor用サーバー3台のホスト名を列挙します。
この操作で3台のサーバー上でmonitorが起動します。
monitor用サーバーからmonitorキーを集めます。
ceph-deploy gatherkeysに続いてmonitor用サーバー3台のうちいずれか1台のホスト名を指定します。ここではhead-01を選択します。
これで、カレントディレクトリに3つのファイル「ceph.client.admin.keyring」および「ceph.bootstrap-osd.keyring」「ceph.bootstrap-mds.keyring」が生成されます。
クライアントからCLI(cephコマンドなど)を使用できるようにするため、「ceph.client.admin.keyring」ファイルとCephコンフィグレーションファイル「ceph.conf」をクライアントに配布します。
ceph-deploy adminに続いてCLIを使用するサーバーのホスト名を指定します。
workstationに/etc/ceph/ceph.client.admin.keyringファイルと/etc/ceph/ceph.confファイルが配置されます。
クライアントからCLIが使用できることを確認します。
この操作でmonitorクラスターとクライアントの構築ができました。次ページではOSDを構築します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.