Ceph/RADOSのインストール、環境構築と接続テストまでCeph/RADOS入門(3)(2/4 ページ)

» 2014年11月17日 20時58分 公開
[佐藤友昭,VA Linux Systemsジャパン]

パッケージのインストール

(1)下準備

 事前準備として、5台のサーバーにはそれぞれLinuxディストリビューションをインストールしておきます。それぞれのサーバーのホスト名は下図の通りで設定します。また、各サーバーにcephユーザーを作成し、ssh経由で相互にsudoが実行できるように設定しておきます。

 これ以降のオペレーションはcephユーザーで行います。

(2)ceph-deployツールの導入

 次に、5台のサーバーにCeph/RADOSと関連パッケージをインストールします。

 パッケージインストールは1台のサーバーでceph-deployというツールを実行することで行います。実行するサーバーとして、ここでは「workstation」を選択します。

 これでceph-deployツールが利用できるようになりました。ceph-deploy ツールについての詳細はCeph Documentationの「CEPH DEPLOYMENT」のページなどを参照してください。

(3)パッケージのインストール

 ceph-deploy installに続いてパッケージインストールする対象サーバー5台のホスト名を列挙します。選択するコンポーネント(monitor、OSD、MDS、クライアント)によるインストールの仕方の違いはありません。

 上記コマンドの実行で以下のパッケージがインストールされました。

 これでパッケージのインストールは完了です。

monitorクラスターの構築

 続いてCeph Storage Clusterおよびクライアントを構築していきます。

(1)クラスターの作成

 始めにクラスターを作成します。

 ceph-deploy newに続いてmonitor用サーバー3台のホスト名を列挙します。

 デフォルトでは「ceph」という名前のクラスターが作成され、カレントディレクトリに「ceph.conf」ファイルと「ceph.mon.keyring」ファイルが生成されます。

(2)monitorの追加と起動

 作成したクラスターにmonitorを追加します。ceph-deploy mon createに続いてmonitor用サーバー3台のホスト名を列挙します。

 この操作で3台のサーバー上でmonitorが起動します。

(3)monitorキーの生成と配布

 monitor用サーバーからmonitorキーを集めます。

 ceph-deploy gatherkeysに続いてmonitor用サーバー3台のうちいずれか1台のホスト名を指定します。ここではhead-01を選択します。

 これで、カレントディレクトリに3つのファイル「ceph.client.admin.keyring」および「ceph.bootstrap-osd.keyring」「ceph.bootstrap-mds.keyring」が生成されます。

 クライアントからCLI(cephコマンドなど)を使用できるようにするため、「ceph.client.admin.keyring」ファイルとCephコンフィグレーションファイル「ceph.conf」をクライアントに配布します。

(4)CLI用サーバーの設定と動作確認

 ceph-deploy adminに続いてCLIを使用するサーバーのホスト名を指定します。

 workstationに/etc/ceph/ceph.client.admin.keyringファイルと/etc/ceph/ceph.confファイルが配置されます。

 クライアントからCLIが使用できることを確認します。

 この操作でmonitorクラスターとクライアントの構築ができました。次ページではOSDを構築します。

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