DNSにおける「ゾーン」について解説する。
「ゾーン」とは、DNSで提供される情報(リソースレコード)の集合で、ドメイン名のツリー構造の一部を構成する単位を指す。
ゾーンの内容は、人間に読めるテキストファイル形式やリレーショナルデータベース(RDB)の形式などで管理されている。権威DNSサーバーは、設定に従ってそれらを読み込み、記述されている内容に基づいて問い合わせに応答する。つまり、ある権威DNSサーバーが担当するドメインの範囲は、ゾーンによって定義される。
1つのゾーンには、あるドメイン名およびそのサブドメイン名の情報が含まれている。例えばexample.jpゾーンには、www.example.jpやmail.example.jpといったexample.jpのサブドメインの情報が含まれている。
この他、例えばsub.example.jpというサブドメインを別のゾーンに委任するための情報や、example.jpゾーン自身に関する情報も含まれている。
ゾーンの境界は、多くの場合、管理者が異なることを表す。例えば、JPゾーンはJPRSが管理しているが、そこから委任されているそれぞれのJPドメイン名のゾーンは、そのドメイン名の登録者が管理している。
ドメイン名のツリーにゾーンの範囲を記述したものを図1に示す。
所属:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) システム部
2010年にJPRS入社。社内DNSサーバーの運用、JP DNSサーバーとネットワークの運用にたずさわる。2013年、JP DNSへのDNS Response Rate Limiting(DNS RRL)の導入とその評価を実施。
発表:Internet Week 2010、2011、2012「DNS DAY」における「JP DNS Update」発表者。DNSSEC 2012 スプリングフォーラムにて「DNSとDNSSEC」を発表。Internet Week 2013「DNS DAY」にてDNSの評価と計測の話として「JP DNSへのRRLの導入」を発表。
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