日本HPがCloud Foundry商用版提供開始、低価格で普及目指すOpenStackと高度に連携

日本HPは1月20日、Cloud FoundryベースのPaaS基盤ソフトウェア、「HP Helion Development Platform」を発表した。低価格が最大の特徴。日本HPはこれによってPaaSの普及を狙う。

» 2015年01月21日 07時18分 公開
[三木 泉,@IT]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2015年1月20日、Cloud Foundryを採用したPaaS基盤ソフトウェア、「HP Helion Development Platform」を、同日に受注・出荷開始したと発表した。ヒューレット・パッカード カンパニーのクラウドチーフテクノロジスト、真壁徹氏は、2014年10月に提供開始したOpenStackディストリビューションと同様、低価格が最大の特徴であり、日本HPはこれによってPaaSの普及を狙うと話す。

 HP Helion Development Platformには、今回提供開始した商用版の「Commercial」と、提供開始済みの無償版「Community」の2つのエディションがある。Commercialは標準時間サポートで物理サーバー1台当たりの1年間使用権が5万2000円、1日24時間年中無休のサポートでは9万6000円。日本HPは、Communityに関する有償サポートも提供する。

新たな製品・サービスの価格

 なお、HP Helion Development Platform Commercialは、日本HPが2014年10月に発表したHP Helion OpenStack Commercial上で動かす場合のみ、サポートの対象となる。他のOpenStackディストリビューションやクラウドプラットフォーム上での動作は、現在のところサポートされない。

 真壁氏は、Cloud Foundryベースの競合PaaS基盤ソフトウェアとは価格のケタが違うといい、低価格をテコに、ソフトウェア開発部署でのPaaSの普及を図っていきたいという。新しいアプリケーションの開発・運用環境の構築は、現在のところ、HP Helion OpenStackの最大の導入動機にもなるとし、2製品を統合的に推進していくと話している。

HP Helion Development PlatformとHP Helion OpenStackの関係

 HP Helion Development Platformは、Cloud FoundryをベースとしたPaaS環境ソフトウェア。コンテナ技術として、Wardenの代わりにDockerを使っている。

 新製品では、HP Helion OpenStackの機能を活用することで、機能の重複を避けるとともに、PaaS環境を強化している。

 例えば、OpenStackのDBaaS機能であるTroveとの連携を実現している。さらに、今後Keystoneの認証、Zaqarのメッセージング、NeutronのLBaaS、DesignateのDNSなどと、連携する予定という。HPでは、HP Helion OpenStackで、OpenStackの正式リリースに含まれている機能に加え、開発中の機能を一部先取りして提供していく方針を明らかにしているが、これをPaaSでもいち早く活用できるようになる。

 また、HP Helion OpenStackで採用しているHorizonダッシュボードを拡張。アプリケーション開発者がインフラ担当者に頼ることなく、これを使ってCloud Foundryクラスターを構築・利用できるようにしている。

 真壁氏は、新しいアプリケーションを高速に開発していく必要性を認識する企業や部署がどれくらい出てくるかが、PaaS/IaaS基盤ソフトウェアの普及を左右するといい、開発者と情報システム部門、双方への働きかけを強めていきたいと話している。

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