ヴイエムウェアの日本法人は2015年3月3日、三木泰雄氏に代わって、副社長だったジョン・ロバートソン氏が代表取締役社長に就任したと発表した。ロバートソン氏は同氏の考えるハイブリッドクラウドの価値について語った。
ヴイエムウェアの日本法人は2015年3月3日、三木泰雄氏に代わって、副社長だったジョン・ロバートソン氏が代表取締役社長に就任したと発表した。ロバートソン氏は日本法人立ち上げ時から、三木氏と二人三脚で国内における事業展開を進めてきた人物。その意味で、今回の交代は自然な流れだと二人はいう。
カナダ出身でありながら、社会人生活のほとんどを日本で過ごし、日本語も堪能なロバートソン氏は、自らを「ハイブリッドな人間」と表現する。同氏はこれまでも、米国本社に対して日本市場の特性を説明し、中・長期的な視点でこの市場に投資するよう説得してきたが、今後もこれを継続していくという。
では、ロバートソン氏は今、日本市場の米国などとの違いについてどう考えているのか。同氏は、「日本は変化に関してコンサバであり、(ITの進化は)米国に比べ大体2年遅れだと思っていた。だがシンガポールに行っている間に(同氏はASEANにおける事業の責任者として、2012〜2014年シンガポールに駐在)、クラウドサービスが急速に広がった。世界中のどこよりも進んでいる」。
背景には、日本のアウトソース文化があるとロバートソン氏は話した。システムインテグレーターに任せる考え方があれば、クラウドサービスに任せるという方向にいくのは、自然な流れだからだ。現に、日本のインテグレーターの間で、ソフトウェア機能をサービスとして提供する動きが広がっていると同氏は指摘する。
これを踏まえてヴイエムウェアに求められるのは、製品を販売するだけでなく、販売パートナーに対して、ハイブリッドクラウドのアーキテクチャ設計などのノウハウを提供し、これを通じてユーザー企業のパートナーになることだという。
ヴイエムウェアは「One Cloud、Any Application、Any Device」をスローガンに、同社の考えるハイブリッドクラウドを推進してきた。このコンセプトを具現化する構成要素が出そろった今、製品を通じてユーザー企業をどう支援できるかに力を入れたいという。
例えば、ヴイエムウェア本社は、国際企業トップ100社を、グローバル体制で支援する「グローバルアカウントプログラム」を展開しているが、これまで同プログラムの対象に含まれる日本企業はなかったという。今後は国際的なサポートサービスを充実させ、顧客のグローバルな展開を支援したいという。同社のクラウドサービス、vCloud Air、およびパートナーのクラウドサービスプログラムvCloud Air Networkを、この目的のために機動的に活用していく。
「日本企業がさらに世界中で成功できることが、(ヴイエムウェアの提供する)ハイブリッドの価値」をモットーに、これからの事業展開を進めていくという。
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