連携先システムが未完成のためテストに待ち時間が生ずるなど、さまざまなテスト制約の問題を解消するサービス仮想化ツール「CA Service Virtualization」の機能と、その活用ノウハウをクラウドサービスとして提供する。
ITホールディングスグループのクオリカと、CA Technologiesは2015年4月6日、CA Technologiesのサービス仮想化ツール「CA Service Virtualization」の機能を、月額サービスとして提供する「QTaaS (キュータス:Qualica Testing as a Service)」を本日から提供開始すると発表した。
現在は、一つの業務プロセスでも、さまざまなアプリケーションが連携して支えていることが一般的。だが各アプリケーションの開発については、複数の開発チーム/社外パートナーによって、個別に開発されている例が多い。そのため各チーム/パートナーの開発進捗によっては、「連携先システムが未完成のために結合テストに待ち時間が生じる」「全コンポーネントをそろえて結合テストを行う最終段階に入ってから問題が見つかり、大幅な手戻りが生じる」といった例が少なくない。
CA Service Virtualizationは、そうしたテスト制約にまつわる問題解決を支援するツール。具体的には、連携先システムの動作や振る舞いをシミュレートし、随時、結合テストを可能とすることで、品質を作り込みながらスピーディに開発が行える環境を実現する。また、テスト先アプリケーションだけではなく、「テスト先アプリケーションの連携先アプリケーションが負荷を受けて応答する」際のシミュレーションができる負荷テスト機能も持ち、より本番環境に近い条件で、高度な品質担保が狙える点も特徴としている。
クオリカは、そうしたCA Service Virtualizationを自社のシステムインテグレーションに活用してきたユーザーの一社。製造、サービス、流通など幅広い業種に豊富なインテグレーション実績を持ち、スピード、品質の両面で多数の支持を獲得している。今回スタートするQTaaSは、CA Service Virtualizationの機能とそれを有効活用するクオリカのノウハウをサービスとして提供するものだ。
具体的には、CA Service Virtualizationを使ってクオリカの持つクラウド基盤「Qcloud」から仮想サービスを提供。仮想サービスの設計、実装もクオリカ側で行う。つまりテストに必要となる環境をクオリカ側が構築し、QTaaSとして提供するため、利用企業側はCA Service Virtualizationを自社環境にインストールすることなく、必要なときに必要なだけ仮想サービスを使える環境が整うという。料金は月額150万円(税抜き)から。契約は1カ月単位で行い、最低3カ月から利用できる。
開発のスピードと品質を両立するためには、現場の実態に即したテストの在り方がポイントの一つとなる。そうした中、DevOpsやアジャイルのトレンドの中で注目されているサービス仮想化だが、両社は今後、共同でQTaaSの提案活動を行うことで、ユーザーの裾野拡大を狙うという。
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