Unityで回転、追従、ズームなどカメラの視点の切り替え方や表現を多彩にする4つのプレハブUnity 5で無料になった機能の使い方(3)(2/2 ページ)

» 2015年05月18日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]
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FreeLookCameraRigをImportする

 Unity 5メニューの「Assets」→「Import Package」→「Cameras」と選択する(図7)。

図7 「Cameras」を選択する

 すると、「Project」内の「Assets」→「StandardAssets」→「Camera」→「Prefab」フォルダー内に、「FreeLookCameraRig.prefab」が取り込まれているのが分かる(図8)。

図8 「FreeLookCameraRig.prefab」が取り込まれている

FreeLookCameraRigをPlane上に配置する

 「Project」内の「Assets」→「StandardAssets」→「Camera」→「Prefab」フォルダー内の「FreeLookCameraRig.prefab」を「Plane」上の適当な場所にドラッグ&ドロップする。

 すると、「Hierarchy」内に「FreeLookCameraRig」が追加されるので、「Inspector」から、「Free Look Cam(Script)」の「Target」に、右横にある「○に・」のアイコンをクリックして、「Robot Kyle」を指定する。

 「Update Type」には「Late Update」を指定する。「Move Speed」には「5」を指定し、「Turn Speed」には「10」を指定する。「Turn Smoothing」には「0」を指定する。そして、「Look Cursor」にチェックを付ける。図9のような設定になる。

図9 FreeLookCameraRigの「Free Look Cam(Script)」の設定を行った

 各プロパティについては、一つ一つ値を指定して、動作を確認しながら決めてほしい。

 以上で、「FreeLookCameraRig」の設定は終わりだが、これで実行しても動かない。

Main Cameraの削除

 「Hierarchy」内の、もともと配置してあった「Main Camera」を削除する必要がある。なぜなら、「FreeLookCameraRig」を展開し、子要素の「Pivot」を展開すると、その中に、ちゃんと「Main Camera」が入っていて(図10)、最初から配置されていた「Main Camera」と衝突するため、そちらの「Main Camera」は削除するわけだ。

図10 「FreeLookCameraRig」はもともと「Main Camera」を持っている

FreeLookCameraRigを使ったサンプルの実行

 これで、FreeLookCameraRigを使ったサンプルは完成だが、空の風景がさみしいので、空の風景を設定しておこう。連載第1回を参照してほしい。

 空の風景を設定したら、図10の「Main Camera」を選択し、Unity 5メニューの「Component」→「Rendering」→「Skybox」と選択する。すると「Inspector」内に、「Custom Skybox」の項目が追加されるので、「None(Material)」と書いてある場所に、「Project」の「Skyboxes」フォルダー内の、「Fixed Now」ボタンできれいにしておいた「.mat」画像をドラッグ&ドロップする。

 今回は、筆者は「Sunny3 Skybox.mat」を指定した。これで実行してみよう。動画1のようになる。

動画1

 ここで、Unity 5メニューの「File」→「Save Scene as」から「FreeLookCameraRigサンプル」として保存しておこう。

 次に、「MultipurposeCameraRig」について紹介しよう。「FreeLookCameraRigサンプル」の舞台をそのまま利用するので、「Hirerarchy」内の「FreeLookCameraRig」を選択して、マウスの右クリックで表示される「Delete」から削除しておいてほしい。

MultipurposeCameraRigを配置して実行

 「Project」内の「Assets」→「StandardAssets」→「Camera」→「Prefab」フォルダー内の、「MultipurposeCameraRig.prefab」をPlane上の適当な場所にドラッグ&ドロップする。

 すると、「Hierarchy」内に「MultipurposeCameraRig」が追加されるので、「Inspector」から、「Auto Cam(Script)」の「Target」に、右横の「○に・」のアイコンをクリックして、「Robot Kyle」を選択する。

 「Update Type」には「Late Update」を指定する。「Move Speed」には「5」を指定し、「Turn Speed」には「10」を指定する。図11のような設定になる。

図11 「MultipurposeCameraRig」の「Auto Cam(Script)」を設定した

 これで実行したのが動画2だ。

動画2

次回は、レンダリング先を画面ではなくテクスチャにするRender Texture

 「MultipurposeCameraRig」では、先の「FreeLookCameraRig」を土台として使用したので、簡単な設定だけで済んだが、一から作成する場合は、「FreeLookCameraRig」の手順を途中までは踏まなければならない。特に、最初から配置してある、「Hierarchy」内の「Main Camera」を削除することを忘れないようにしてほしい。それ以外は舞台を作ることが面倒なだけで、「StandardAsset」内の各カメラのプレハブの設定は簡単だ。

 また今回、「FreeLookCameraRig」「MultipurposeCameraRig」の使い方を解説したが、「CctvCamera」「HandheldCamera」も、面白い動作になるので、各自で試してほしい。

 次回は、レンダリング先を画面ではなくテクスチャにするRender Textureについて解説するので、お楽しみに。

著者紹介

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

主な著書

Unity4.x アセット活用術: Asset Storeから落としたAssetを自分の作品の中で使用する方法』(Kindleストア)

Unity4.xプログラミングTips集: Asset StoreからインポートしたAssetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)

Unity Scriptの基本+Unity Script Tisp集』(Kindleストア)

Unity初めの一歩: 超初心者のためのUnity入門』(Kindleストア)

Unity4.x入門+プログラミングTips集: 初心者から中級者対応。Assetの使い方を徹底解説』(Kindleストア)


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