サヨウナラ Windows Server 2003! マルウエア対策の定義更新はいつまで続く?山市良のうぃんどうず日記(42)(1/2 ページ)

2015年7月15日のWindows Server 2003のサポート終了まで、残り数日です。この日は、Windows XPに対するマイクロソフトのマルウエア対策ソフトの定義ファイル提供も終了する予定です。さて、Windows Server 2003に対するマルウエア対策ソフトへの今後の対応はどうなるのでしょうか。

» 2015年07月10日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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7月15日、ついにWindows Server 2003の製品サポートが終了です

 マイクロソフトは同社の製品ライフサイクルサポートポリシーに従って、当初の予定通り、Windows Server 2003/2003 R2の全ての製品サポートを「2015年7月15日(日本時間)」に終了します(画面1)。本稿を目にしたタイミングによっては、すでに終了してしまっているかもしれません。

画面1 画面1 「Windows Server 2012 R2乗り換えキャンペーン」のWebサイト。残りあと1秒の瞬間は「2015年7月14日23時59分59秒」に訪れる

 Windows Server 2003に対するセキュリティ更新プログラムの提供は、“7月15日にWindows Updateで提供される更新プログラムが最後”になります。また、有償サポートを通じて提供されるセキュリティ以外の更新プログラムのサポートとインシデントサポートも7月15日に終了します。

 Windows Server 2003のバージョンに対応するクライアントOSのWindows XPは、2014年4月にすでにサポートを終了しているため、一部のEmbedded製品を除けば、「Windows NT 5カーネル」(Windows VistaおよびWindows Server 2008以降は「Longhornカーネル」)のサーバーOSとクライアントOSのサポートはこれで全て終了することになります。

忘れていませんか? 製品サポート終了OSに対するマルウエア対策のサポート終了日

 2014年3月に始まった本連載第1回では、2014年4月9日(日本時間)に製品サポート終了となるWindows XPの話題を取り上げました。そして、サポート終了後の第3回では、マイクロソフトのマルウエア対策製品のWindows XPに対する今後の対応について取り上げました。

 マイクロソフトのマルウエア対策製品である「Microsoft Security Essentials」「Forefront Endpoint Protection」「System Center Endpoint Protection」「Microsoft Intune Endpoint Protection」は、Windows XPに対してサポート終了後もエンジンと定義ファイルの更新を一定期間継続提供するという猶予期間が設けられています。2015年7月15日は、この猶予期間の終了日でもあります。

 Windows XP上でMicrosoft Security Essentialsを使用している場合、2014年4月9日以降は“危険”という真っ赤なステータス表示になりました(画面2)。リアルタイム保護や更新機能は引き続き利用できているのですが、Windows XPを使用し続けていること自体が“危険”というわけです。

画面2 画面2 2015年7月8日現在のMicrosoft Security Essentialsの様子。この状態でも、マルウエア対策としてはちゃんと機能している

 たとえマルウエア対策が機能しているといっても、この真っ赤な表示の状態で使い続けているユーザーはあまりいないでしょう。マルウエア対策が「無効」になっていると勘違いして、他社のマルウエア対策ソフトやフリーソフトに乗り換えたという人もいるのではないでしょうか。

 企業向けのForefront Endpoint Protection、System Center Endpoint Protection、Microsoft Intune Endpoint Protectionを使用している場合、平常時はグリーン表示のまま使えていると思いますが、Microsoft Security Essentialsと同様のカウントダウン機能が組み込まれているので、OSのサポート終了の警告は「イベントログ」に記録されています(画面3)。

画面3 画面3 2015年7月8日現在のSystem Center Endpoint Protectionの様子。OSサポート終了の警告は「イベントログ」に書き込まれている

 2015年7月15日のWindows XPに対するマルウエア対策のサポート終了は、単にエンジンや定義ファイルの更新が打ち切られるということだけではありません。以下のマイクロソフトの公式ブログで説明されているように、これらのマルウエア対策製品に組み込まれたカウントダウンの最終段階は“マルウエア対策サービスの停止”です。

 つまり、2015年7月15日(正確には日本時間の15日9時以降)は、マルウエア対策機能を一切提供しなくなる“予定”です。すでにインストール済みの定義ファイルで検出および駆除できるマルウエアであっても、検出や駆除の動作を全くしなくなるということです。

 “予定”と断ったのには理由があります。これらのマルウエア対策製品のWindows XPに対するカウントダウン機能は、Microsoft Security Essentialsは「2014年3月の更新」で、その他の企業向け製品は「2015年3月の更新」で組み込まれました。その時点では最終段階(サービス停止)までの機能も確かに組み込まれていたのですが、筆者が確認した限り、本稿を執筆した時点で最終段階のサービス停止機能は削除されているようなのです。

 これは筆者が以前に気が付いたことですが、System Center Endpoint Protectionのカウントダウン機能には、サービス停止機能が1カ月前の2015年6月中ごろに発動してしまうという問題がありました。2015年5月に配布された更新により、この問題を回避するための何らかのプログラム的な対応が行われたようです。

 まだWindows XPを使っているという方は、これを良いニュースとは決して思わないでください。2015年7月15日以降もWindows XP上でMicrosoft Security Essentialsや企業向けのマルウエア対策製品は動作し続けるかもしれませんし、2015年7月15日までに、あるいは2015年7月15日に何らかのサービス停止措置が行われるかもしれません。何よりも、現在もまだWindows XPを使い続けていることが、すでに“危険”な状態であることを忘れないでください。

 なお、2015年5月中旬以降にWindows XPのPCを一度も起動していないという場合は、サービス停止処理が削除された更新を受け取っていないはずなので、PCを起動してもマルウエア対策サービス(Microsoft Antimalware Service)を開始できない状態になっていると思います。

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