Xcode 7の主な変更点はPlaygroundやInterface Builderの機能追加、テストを支援する機能の強化などです。Xcode 7のベータ版は開発者プログラム未加入でも入手できるので、新しいXcodeの機能をすぐに試すことができます。
Xcode 7はSwift 2に対応しています。Swift 2に関連する新機能は以下の通りです。
Playgroundを使用すれば、コードの実行結果をすぐに確認したり、教育用のコンテンツを作成したりすることができます。Xcode 7では以下のような機能がPlaygroundに追加されています。
Xcodeプロジェクトをテストする機能は、バージョンアップごとに強化されてきました。Xcode 7では「User Interface Testing」「Code Coverage」などの新機能が追加されています。
Interface BuilderはXcodeに内蔵されたエディターであり、直感的な操作でユーザーインターフェースを実装できます。Xcode 7から利用できる「Stack View」「Storyboard References」などを活用すれば、ユーザーインターフェースの実装をさらに効率化できます。
Xcode 7で利用できる、その他の機能は以下の通りです。
これまでは、以下のようにアップルプラットフォームごとに開発者プログラムが分かれていました。
WWDC 2015で、これらの開発者プログラムが「Apple Developer Program」に統一されることが発表されました。今後は1つの開発者プログラムへの加入だけで、全てのアップルプラットフォーム向けの開発を行えます。「iOS Developer Program」「Mac Developer Program」に加入していた場合、アカウントは自動的に更新されています。
Apple Developer Program加入者が開発可能なものは、下記です。
また、開発者プログラムに加入しなくてもApple IDがあればXcodeのベータ版を入手したり、アプリを実機で動かしたりできるようになりました。
Apple Developer Program加入・未加入の違いをまとめると、以下のようになります。
Apple IDでサインイン | Apple Developer Program(個人) | Apple Developer Program(組織) | |
---|---|---|---|
ベータ版のXcode | ◯ | ◯ | ◯ |
Developer Forums | ◯ | ◯ | ◯ |
実機での動作検証 | ◯ | ◯ | ◯ |
ベータ版のiOS/OS X/WatchOS | - | ◯ | ◯ |
App Storeで配布 | - | ◯ | ◯ |
Safari機能拡張 | - | ◯ | ◯ |
Developer ID | - | ◯ | ◯ |
TestFlightでベータテスト | - | ◯ | ◯ |
コードレベルのテクニカルサポート | - | ◯ | ◯ |
チームを管理 | - | - | ◯ |
費用 | 無料 | 99米国ドル | 99米国ドル |
登録要件 | 13歳以上 | 18歳以上 | DUNS Number |
本記事では、WWDC 2015で発表された開発者向けの情報を紹介しました。それぞれの技術的なトピックの概要をつかむことはできましたでしょうか。
今回扱えなかった項目については、今後引き続きキャッチアップしていきます。iOS 9やWatchOS 2の正式版が出るころまでに、これらの新OSの機能を使ったアプリを出す準備をしておいてはいかがでしょうか。
クラスメソッド株式会社 iPhoneアプリサービス事業部所属のプログラマーです。iOSアプリの開発がメインですが、デザインやAWSなども勉強中です。
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