プロジェクトの新規作成が完了すれば、IDEが次の画面のようにプログラミング可能な状態になる。
プログラムを動かす前に、今後の連載内容を理解しやすくするためにも、このIDE画面を構成している最も基本的な部品について解説しておこう。なお、IDE画面のより詳しい内容については、次回紹介する予定だ。
プロジェクトの新規作成が完了すると、Windowsアプリケーションのひな型となるソースコードが記述されたソースファイルが生成される。つまり、すでに「ひな型のWindowsアプリケーション」が完成しているので、これをプログラムとしてすぐに動かすことができる。
実際にプログラムを動かすには、次の二つの作業が必要となる。
まず「プロジェクトからプログラムを生成する」には、メニューバーから[ビルド]―[ソリューションのビルド]を選択する(「ソリューション」の意味は次回以降解説)。もしくは、ショートカットキー[Ctrl]+[Shift]+[B]キーを押す(または[F6]キーを押してもよい)。なお、プロジェクトからプログラムを生成する作業は、プログラミング用語で「ビルド(Build)」と呼ばれるので、覚えておいてほしい。
ビルドが正常に終了すると、プログラムの生成は完了だ。プログラムの生成場所に関しては、次回以降で説明する。
ビルド結果の内容は、メニューバーから[表示]―[出力]を選択して[出力]ウィンドウを表示すれば参照できる。次の画面のように、[出力]ウィンドウの最後に「ビルド: 1 正常終了、0 失敗、0 更新不要、0 スキップ」という記述が見つかれば、ビルドは成功しているという意味である。
「生成されたプログラムの実行を開始する(=動かす)」には、メニューバーから[デバッグ]―[デバッグなしで開始]を選択する(「デバッグ」の意味については次回以降で解説する)。もしくは、ショートカットキー[Ctrl]+[F5]を押す。プログラムの開始については、ショートカットキーを使う方が便利で簡単なので、ショートカットキーを覚えて使用することをお勧めする。
これにより、先ほどのビルドによって生成されたプログラムが起動する。この起動したWindowsアプリが、私たちがVS 2015で初めて作成したプログラムである。
以上で、VS 2015でプロジェクトを新規作成し、そのプロジェクトからプログラムを生成して、生成されたプログラムを実行できた。つまり、VS 2015による開発の最も基本的な作業の流れを体験したことになる。後は、このプログラムに独自の機能を付け足していく作業が必要になる。この機能を付け足す作業を「プログラミング」もしくは「コーディング」と呼ぶのである。この作業について次回から解説していく。
先ほど「以上で基本的な開発作業の流れが体験できた」と説明したが、これで安心するのはまだ早い。最後の作業として、作成したプロジェクトをちゃんと保存する必要がある。この作業は非常に簡単だ。VS 2015を終了するときには、プロジェクトを保存するかどうかを確認するダイアログが、自動的に表示されるからだ(よって、保存のし忘れはないはずだ)。ただし、プロジェクトがすでに全て保存済みの場合は、ダイアログは表示されずにそのまま終了するのでご注意いただきたい。
VS 2015を終了するには、IDEのタイトルバーにある[×]ボタンをクリックするか、ショットカットキー[Alt]+[F4]を押すか、メニューバーから[ファイル]―[終了]を選択すればよい。これにより、次のようなプロジェクトの保存を確認するダイアログが表示される(なお、上記のプロジェクトを終了するときには、先ほどのビルドの際にプロジェクトが保存されているため、次のダイアログは表示されない)。
また、VS 2015を終了せずにプロジェクトを保存するには、メニューバーの[ファイル]―[すべて保存]を選択するか、ショートカットキーの[Ctrl]+[Shift]+[S]を押せばよい(「保存する」を意味するSaveの「S」と覚える)。このショートカットキーもよく使うので、できれば覚えておいた方がよいだろう。
ここまでで今回は終わりである。今回はVS 2015の最も基本の部分について解説した。これらの知識は、次回以降の解説で基礎知識として必要なものだ。次回以降は、VS 2015のIDE画面の詳細やIDEを使ったプログラミングについて解説していく。お楽しみに。
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